安全装置は事故の元;自動停車装置デモでの事故
先日(2013/11/10)の自動停車装置デモでの暴走事故は、速度超過が原因だとする調査結果がまとまりつつあるようだ。
報道されている内容によると、自動停車装置は30km/h以下でしか作動しないにもかかわらず、事故を起こしたドライバーは37km/hの速度を出していたので自動停止装置が作動しなかったことが、ドライブレコーダーの記録から分かったのだという。
急停止による追突事故やスリップ事故を起こさないためには、作動する速度に上限を設ける必要があるのは分かるが、一般ドライバーに上限速度を超過していないかを感覚で正確につかませるのは難しいだろう。その意味でこの自動停車装置は一般向け商品としては不適当で、むしろプロ向きといえそうだ。
以前にも「安全装置は危険装置」という記事を書いたことがあるが、安全装置の作動条件や動作内容を理解しないまま使わせるのは事故誘発の原因になることがある。使う方も売る方も、制限事項の多い中途半端な安全装置は新たな事故原因になり得ることを理解しなければならない。
現状の作動条件や動作から装置が効果を発揮する状況を考えると、自動停車装置は全く無意味で単に販促のエサにすぎない。厳しく言えば、最近のスマート家電製品と同じく、無用な装備をつけて価格をふくらませる材料にしているに過ぎないと言える。
追記(2013/11/16);
今回事故を起こしたマツダのものに限らず、他社の自動停車装置にもいくつかの制限事項がある。
その1は、停車寸前の低速状態でしか作動しないこと。これは高速からの急停車は登場の気分を悪くするし、後続車に追突される危険があることを考えればとうぜんだ。路面状況が悪ければスリップする可能性もある。
その2は、自動停車装置が作動した後にアクセルペダルを踏み込むとブレーキが解除されて加速する設定になっていることだ。これはどのような状況を想定しているのだろうか。自車が停止しかけたところで前車が速度を上げて前が開けた場合、あるいは後続車が減速せず追突される危険を感じた場合などに、加速して路側や車線間のの隙間に逃げる場合などを想定しているのだろうか。
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