減反政策の見直し
この数日、米の減反政策の転換が話題になっている。長年続いてきた政策であり、米作農家の収入を支えてきた制度であるだけに農家の強い反発が予想される。しかしやり方次第では、戦後続いてきた補助金漬け農業から脱却するきっかけになるかもしれない。
日本では、戦後の食糧危機の時代から米作農家に対して各種奨励金で手厚い保護が加えられてきた。そして米あまりの時代になると、今度は減反補償金や転作奨励金などに姿を変えて続いてきた。このため、日本の米作はコストダウンの努力は行われず、むしろ手間のかかる品種をブランド品種としてこうかかくで販売する方向に走ってきた。そして同じ事は他の作物でも行われ、自治体が高コストのブランド作物生産を奨励することも多い。
このため、ブランド作物にらべれば売価は安いが低コストで生産可能であるため採算が良い作物や品種を作出する努力はほとんどなされてこなかった。むしろコストが高く売価が高い物を少量生産する方向が主流であり、そのような方向性の作物に対する生産補助金や奨励金が出される事が多かった。これが日本の農業の高コスト低採算体質を推進してきた。そして、今の日本農業は補助金中毒の状態にある。
しかし、減反政策の見直しや補助金の削減が、低コスト高収益作物の作出などの体質改善努力のきっかけになれば、それは日本の農業の体質強化のために良いことだと思う。
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