カーナビに殺された母娘
昨日の記事に書いたことだが、三重県の山中で母と娘が行方不明になっている。地形を知らないまま山地の谷筋を通過する道に進入し、洪水で身動きがつかなくなった末の遭難のようだ。しかし気の毒だが、台風のさなかで広範囲で大雨や洪水、土砂崩れの警報が出ているにもかかわらず、山中を抜ける道に入っていった母親の非常識さを考えると自業自得とも言える。
ただし別の見方をすれば、そんな状況下でそんな場所に誘導したカーナビに殺されたとも言える。カーナビにはその天候で安全に通行できるかどうかを判断する能力はない。従ってあのような天候の時に、カーナビの示すままに初めての山中のルートを進むのは危険であり自殺行為とも言える。
カーナビの最大の欠点は、画面が狭いために地形情報を読み取りにくいと言うことだ。大判の道路地図であれば、等高線などの地形情報で天候による危険がありそうかは簡単に読み取れる。しかしカーナビの狭い画面では、そのような情報が表示されなかったり、狭い範囲を拡大した場合しか表示されなかったりする。これは、事前に全経路の地形情報など頭に入れておくことを好む私が、カーナビを使わない理由の一つだ。
もっとも、元々地図を読まない人には地形情報など不必要で、ただどう進めば目的地に到達できるのかが分かればよいのかもしれない。しかしそれでは今回のような事故に遭遇する事を防げない。経路を選択するときには、それがどのような地形の場所を通過するのかを読み取って、その天候で地形に伴う危険があるかないかを判断しなければならない。それを怠ると今回の事故のようにカーナビに殺されることになりかねない。
ダッシュボードに設置したカーナビで、少なくとも数km四方の地形を一目で読み取れるようにするには、せめてB4ぐらいの表示面積が必要だし、より詳細な地図情報が必要になる。従ってシステムが高価になりすぎるのだろうとは思うが、是非とも改善してもらいたい。
追記(2013/09/20);
発見された車とその周辺の画像を見たが、あの気象状態でこんな谷川沿いの場所に入り込むのはあまりにも非常識で、自殺も同然という思いを強くした。
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