アクセントの混乱
最近、放送中で聞くアクセントが混乱しているように感じる。
たとえば、「商品」と「賞品}、「父」と「乳」、「異物」と「遺物」などが人により逆のアクセントで発音されている。これは発音訓練を受けているはずのアナウンサーでも同じ状況で、ばらばらであるばかりではなく従来とは逆の発音をする者が増加しつつあるように見える。放送局がアナウンサーの発音訓練と管理をやめてしまったのだろうか?
しばらく前、NHK番組で武蔵丘陵を紹介していたが、その中で「陸稲(おかぼ)」を地元の出演者は武蔵弁本来のフラットアクセントで発音していたが、進行役でしゃべりのプロの恵氏はそれに反発するように、ことさらに前アクセントを強調して発音していた。元々、江戸府内の西側の武蔵の国一帯で使われてきた武蔵弁は、江戸っ子から田舎言葉扱いされてはいたのだが・・・・・。
本来全国放送では「標準語」を使う建前になっていたのだが、最近はその標準語自体が混乱しているようだ。
補足(2013/07/24);
もっとも「標準語」は、江戸の武士言葉と長州弁を基礎にして作成させた人造語を、国家が標準として使うべきものとして明治政府が定めたものだ。従って、伝統的な江戸弁や武蔵弁、あるいは広義の関東弁などとは異なる。その意味では恵氏の発音が武蔵弁とは異なっていても当然なのかもしれないが。
それにしても、学校で教える日本語の基準である「標準語」の現状について、文科省やその諮問機関である「国語審議会」はどう考えているのだろう。見解を聞いてみたいものだ。
追記(2013/07/24);
夕方のニュースを聞いていたら、中国の軍用機が沖縄周辺の「紅海」を通過したと聞こえた。「公海」、「公開」、「更改」と、「後悔」、「紅海」、「黄海」などのアクセントがすっかり混乱して、多くが前アクセントに移行しつつある様だ。どうも標準語は前アクセントで関西弁が後アクセントという、必ずしも正しくない思い込み(固定観念)が標準語の何でも前アクセントを流行させているのかもしれない。
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