臆病者の時代;弱いものいじめの理由
最近、反撃できない者に対して暴言を吐いたり暴力をふるったりする事件が多い。反撃できない理由としては、幼くて肉体的に弱い、職務上反撃することが禁じられているなどが多い。
たとえば、幼児に対して暴力をふるったり危害を加える事例が多い。これには親による虐待も含めるべきだろう。また、行政機関の窓口、駅員や店員に対するものもしばしば報じられている。宝塚市役所での放火事件もこの例で、立場が弱いはずの相手が言いなりにならないことに腹を立てたと見られる。
いずれにしても反撃される心配がない相手を選んで攻撃していることから、本質的には臆病な者達の行為と見なすべきだ。そしてこのような臆病な者達に特徴的なものとして数を頼んでの攻撃がある。これにはしばしば、弱い少数派と見なされて攻撃されることを恐れる臆病者が加わって事態を悪化させる。その典型が学校や職場でのイジメだ。
現代は臆病者がはびこり、臆病さを隠蔽する、不満のはけ口とする、攻撃される側に回らないため、などの様々な理由で、弱いと見なした対象を攻撃している。これはもう数十年も続いた流れが行き着いたところだろう。昭和50年代に始まった、しからないしつけや学校教育、何でも子供の言うことを聞いてあげる環境作りなどが行き過ぎた(あるいは度が過ぎた)結果だと私は考える。
子供には、世の中の大半のことは思い通りにならないと言うことをしっかりと教えるべきだ。甘やかしてばかりでは、思い通りにならないことに対する耐性を育てられない。
最後に一つ付け加えると、学校でのイジメ事件のアンケート調査を鵜呑みにしてはいけない。なぜならば、子供は保身のためには罪悪感なしに嘘をつくからだ。これは自身の子供時代を振り返ってみれば分かるはずだ。子供は純真だから嘘をつかないというのは神話に過ぎない。そのような嘘をつくことに罪悪感を覚えるのは大人の心を持つ者だけだ。
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