政治家ブラックリスト
橋下大阪市長が国際的な政治家ブラックリストに定着したようだ。訪問先で会見を希望していた要人から会見を拒否されて、訪米を断念せざるを得なくなったことがそれを証明している。
このリストは文書やデーターベースとして存在するわけではないが、国民を抑圧する独裁者、常習的に高額の賄賂を要求する政府高官、不穏当な発言を繰り返す政治家、不満分子に迎合してそれをあおる政治家、発言が一貫せず信頼できない政治家などが含まれる。そして、ブラックリスト政治家というレッテルが貼られると各国各界の高官や要人が関わりを持つことを避けるため、政治的な発言力・影響力に深刻なダメージを受ける。
これまで橋下氏は不穏当発言を行って注目を引き、それを批判する者を悪役に仕立て逆に非難することで人気を得てきた。しかしそれを繰り返してきた間に、不穏当の程度が大きくなり舌先三寸の屁理屈や言い訳では取り繕えなくなってきた。今回の「従軍慰安婦」関連発言も、本人が外国からの非難に反発したのかあるいは反発する者達に迎合しようとしたのかは分からないが、極めて軽率で不用意なものだった。
発言に対する海外からの批判に耐えきれなくなったのか、「従軍慰安婦」問題にどう対処するかは国の責任だとして逃げを打っているが、これも影響力低下を大きくするだけだろう。
橋下氏が表舞台から逃げた代わりに、松井大阪府知事が「オスプレイ訓練に八尾空港を提供する」と発言してメディアの注目を引こうとしている。しかし橋下氏の手法をなぞっていれば、今度は松井氏がブラックリスト入りすることになりかねない。「維新の会」影響力を保とうとするならば手法の変更が必要だ。しかし、手法の変更自体が「維新の会」への支持低下につながりかねないので悩ましいところだろう。
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