フィルター自動清掃機能付きのエアコンでも、フィルターの手洗いは必要
義理の母からクーラーの効きが悪いと相談を受けたので点検に行った。
設置後6年になるというのでガス抜けを疑ったのだが、熱交がカビなどで汚れて効率が落ちている可能性も考えて、前面パネルとフィルターを外して内部の点検をすることにした。すると、意外な発見をした。
このエアコン装置にはフィルターの自動清掃機能があり、取扱説明書には10年間有効と書かれている。取説には手作業による清掃が不要であると明記はされていないが、日常の手入れの項目にはフィルターの清掃はあげられていない。補足として、油やタバコのヤニで汚れた場合は中性洗剤で洗浄すると書かれてはいるが、これは例外的な場合の説明的に小さな囲みで書かれている。全体としては、あたかも10年間手作業によるフィルターの清掃が不要と使用者に思いこませる文章になっている。
しかしながら、熱交の状態を見るためにフィルターを取り外してみると、フィルターの前面(風上)は自動清掃装置の効果で埃がほとんど無いものの、裏側に3mm近くの厚みでびっしりと埃が付着していた。取説によると、この清掃装置はフィルター前面についた埃を、ブラシで掃き落とす仕組みらしい。その際、ブラシがフィルターの目の中に押し込んでしまった繊維状の埃が取れず、その上からさらに押し込む形で埃が分厚く蓄積した様だ。このような形で埃が蓄積することは、設計者の想定外だったのだろう。
フィルターに貯まっていた埃は電気掃除機と水洗いで簡単に除去でき、運転テストを行うと一気に効きが良くなった。埃の層の厚みと密度から判断すると、通気抵抗が著しく高くなって風量が大きく減少していたのだろう。
今回、フィルター自動清掃機能付きのエアコンでも、フィルターに埃がたまって効きが悪くなるものだと言うことを知った。自動清掃機能付きのエアコンでも、シーズン前には点検とフィルターの清掃は必要だと考える方がよいようだ。
それにしても、10年間手作業でフィルターを清掃する必要がないと思わせるような取説は、故意に誤解させる意図をもって書かれているような印象を受けた。今回の装置はパナソニックのものだが、他社のものでも恐らく似たり寄ったりだろう。
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