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June 2013

June 26, 2013

またも壊れたジャパンクオリティ

可能な限り日本企業製品を買うようにしているのだが、最近はその日本企業製品も品質低下がひどいように感じる。なぜならば、購入してから2~3年で壊れる例が増えているからだ。

先日の記事でシャープ製の液晶テレビが2年9ヶ月で壊れたと書いたが、今度はパナソニック製のシーリングライトがやはり2年と少しで壊れた。どちらも日本の一流メーカーの製品ではあるが、いずれも中国製で私が言うところの偽装日本製品だ。

最近は、かつて世界を制覇した日本製品の高品質で安いと言う特長はすっかり失われたように思える。かつての高品質は品質のばらつきが無く故障しないと言う意味だったが、今言うジャパンクオリティとは多機能で見かけがきれいという意味しかない様に見える。コストダウンのため短期間の寿命を設定し、それにあわせて信頼性が低い部品を使っているのだろう。そして使用する部品も、低価格な品質のばらつきが大きい物を使用しているのではないだろうか。そう考えるのは、必要以上の耐久性は過剰品質でコストの無駄だと、経営コンサルタント達が盛んに言っていたからだ。

10年以上故障しないことを想定していたものが、はせいぜい6~7年の寿命しか想定しなくなれば、部品の信頼性と価格は大幅に下げられる。また、信頼性の定義も無故障率ではなくMTTFに変わっているかもしれない。10年間の無故障率98%とMTTF10年では、10年間の故障発生率がまるで異なる。日本メーカー製品が故障しやすくなった背景には、そんな事情があるのではないかと思うのだ。

それはそれとして、このように簡単に故障するのでは、日本企業製品への信頼性が低下したとして当然だ。そんな日本製品とは対照的に、韓国企業や中国企業の普及品が信頼性を高めて人気を集めているのだとすれば、日本企業がシェアを失い続けるのも自然な流れだろう。

June 24, 2013

低投票率は与党有利

昨日(2013/06/23)の都議選は自民公明の与党連合の圧勝に終わった。投票率と与野党の得票率の経験則から予想されたことではあるが、野党勢力特に新勢力を標榜する政党には衝撃的な結果だろう。

一般に政党への信頼が薄れ積極的な支持対象が見つけられない状況では、特定政党の固定的支持者や組織された有権者以外は棄権する傾向が強い。このような特定の支持政党を持たず、その時々の政治課題によって投票先を変える有権者はかつては政治に関心を持たない有権者とひとまとめにしてノンポリと呼ばれ政党や特定の支持政党がある者達からは低く見られていた。しかし、実際に選挙結果を左右するのはこのようなノンポリの投票行動であるのは今も昔も変わらない。

政治的関心が薄いと言われることが多いこのような者達が、実は政治的な課題に最も敏感に反応する。そしてそれは投票率に如実に表れる。投票率の低さは与党に対する不満の表明の現れの一つと解釈する方が良い。

June 20, 2013

円安株安;求められる経済政策の大転換

今日(2013/06/20)は円安株安となっている。しばらく前から、円安=株高の図式(芸能誌流に言えば、儲かる方程式)が崩れ始めていたが、今日の動きはそれをはっきりと示している。

これはまた、このところの株価の動きが企業収益に対する思惑とは無関係の、投機組織の資金状態に対する思惑で動いていることをはっきりと示している。

要するに、株価と景気は無関係と言うことだ。

ところで、米国は現状の金融緩和が異常な物であり長く続けていられるものではないこと、そして正常な状態への出口戦略と見通しを明瞭にすべきであることを示した。これは良識ある態度だ。対照的に日本は、景気が良くなるまで資金供給を拡大し続けると表明している。これが政府に対する他国からの政治的信用度にどのように影響するかは明らかだ。

投機組織に資金を供給して株価つり上げをはかるより、一般労働者の雇用や所得の増加に直結する施策を最優先にしなければ、アベノミクスは単なるマイクロバブルに終わり、日本政府の財政政策に対する評価も失われるだろう。その段階では(もうすでにそうなっているが)金融緩和の余地も効果も消失しているだろう。

池田勇人の所得倍増計画のまねをするのであれば、雇用と所得の増加にいたる具体的な手順を示さなければならない。しかし、それは国内優先で他国に不利な不公平な制度を作ろうとしているとの非難を受けることも覚悟しておこなわなければならない。それぐらい強引な国内優先の施策でなければ、短期間に効果を示すことはできないからだ。

June 19, 2013

維新の会で内戦勃発?

石原慎太郎氏が橋下大阪市長の言動を批判したと報じられている。批判されることには我慢ができない橋下氏だけに、どう反論するかに興味が集まっているようだ。

最近は内紛続きの維新の会だが、政界に一定の地位を占める前に内輪もめで四分五裂だ。このまま行くと年内に解散もないとはいえない状態だ。

ここは松井氏の手腕で修復しなければならないだろう。しかしそうなれば党運営の実権が松井氏に移ることも必至だ。

LCテレビが故障した;故障しやすくなった日本メーカーの製品

液晶テレビ(Sharp AQUOS LC-22K3,Malaysia製,いわゆる偽装日本製品だ)が故障した。画面全面に黒い筋が入り、放送画像はその後ろで白っぽくなり、非常に残像が多い状態でほとんど読み取れない(下図参照)。デコード済みの放送映像とオーバーレイする表示情報を合成して画面を作り上げるユニットが壊れたのではないかと思うが、液晶ドライバーユニットの方かもしれない。

故障した画面の状態

購入してまだ2年9ヶ月なので、日本メーカーの製品としてはずいぶん早い故障の発生だ。

かつてメイドインジャパンの製品が海外で好評を得ていた頃、ジャパンクオリティとは耐久性が高く滅多に故障しない点が魅力とされていた。しかし近年、日本製品のこのような特長がすっかり失われてしまったようだ。かつての基本機能はしっかり押さえ、故障せず長持ちするというセールスポイントはコスト競争力を理由に捨てさられ、多機能高価格のブランド商品を売ることに方針転換した。また、長寿命は買い換え促進のじゃまになりコストもかかる過剰品質だとして、商品サイクルに合わせた短寿命化がはかられた。

しかし、短寿命でよいと言うことからパーツの品質(信頼性)を落として安価な物を用い始めたように思える。今回のテレビは2年9ヶ月だったが、昨年末に買ったJVCのアクティブスピーカーはわずか一ヶ月で故障した。このように、故障時間が短い物が混じり込むのは、品質のばらつきが大きい低信頼性の安価な部品を使っている結果のように思える。

かつて米国車について、「大きく装備が豪華で乗り心地も良いが故障が多い」と評価された時代がある。そこに日本車が「小さく装備が劣るがタフで故障が少ない」ことをウリにして進出していった。この故障しにくい高信頼性が日本メーカーの武器になったのだ。しかし、今の高級ブランド化をもくろむ日本製品は、かつての米国製高級車のように、「見た目がよく多機能だが高価すぎ故障が多い」製品になっている様な気がする。

そして、私はこれが世界市場で日本製品が敗北し続けている理由だと思っている。

高級ブランド品とは3世代以上受け継いで使える程の耐久性があるのが普通だ。1世代持たずに壊れてしまうような物はブランド品の名に値しない。

追記(2013/06/21);
代替機は発注したが、直せるものなら直してパソコンのサブディスプレイにしようと思って販売店に持ち込んだ。販売店は見積もりだけでも1000円以上かかるからと、電話でメーカーに修理費の概算を問い合わせた。その結果は液晶パネルが壊れているので交換が必要で30,000円以上かかるとのこと。これは注文した東芝製代替機の販売価格よりも高い。

私は上記の症状から液晶パネルの故障ではなく、信号処理系の故障と考えているのだが、電話でメーカーの修理窓口の係員とやり合うのも面倒だし、メーカーに送ってもやはりパネルの毛管が必要と言い張るだろうと見たので廃棄処分することにして、販売店にリサイクル処分を依頼した。

これまでにも経験したことだが、メーカーの修理窓口の係員は専門知識があまりなく、ただマニュアル通りの最も安易な修理方法を答えているとしか思えないことがある。最近の耐久性(MTTF;初発故障までの平均時間)の低下や、通り一遍でおざなりな対応などはかつて世界を席巻した日本品質には無かったものだ。

今の日本メーカー製品は、安価なパーツを使ってコストを下げることで基本機能と耐久性を低下させて買い換えサイクルを早め、代わりに必要不可欠ではない付加機能をつけて高価格化をはかっている。しかしこれでは、基本機能と耐久性はしっかり担保した上で低価格の製品を供給する、韓国企業や中国企業には勝てない。

かつて日本品質への評価、「安くて丈夫」は今や韓国や中国の製品に与えられ、日本製品は「豪華で多機能だが、高くて壊れやすい」と言う評価になりつつある。これでは韓国や中国のメーカーに太刀打ちできないのも当然だ。

June 15, 2013

雨来る

今日(2013/06/15)は神戸では昼過ぎから久しぶりに雨。

梅雨入り直後からほとんど降っていなかっただけに、今回もほんのお情け程度かと思っていたが本格的な降りになっている。しおれていたアジサイには良いお湿りになりそうだ。

とはいうものの夕方には止みそうなので、水不足を解消するにはまだまだ不足だ。本格的に梅雨が復活することを望んでいる人も多いだろう。

フィルター自動清掃機能付きのエアコンでも、フィルターの手洗いは必要

義理の母からクーラーの効きが悪いと相談を受けたので点検に行った。

設置後6年になるというのでガス抜けを疑ったのだが、熱交がカビなどで汚れて効率が落ちている可能性も考えて、前面パネルとフィルターを外して内部の点検をすることにした。すると、意外な発見をした。

このエアコン装置にはフィルターの自動清掃機能があり、取扱説明書には10年間有効と書かれている。取説には手作業による清掃が不要であると明記はされていないが、日常の手入れの項目にはフィルターの清掃はあげられていない。補足として、油やタバコのヤニで汚れた場合は中性洗剤で洗浄すると書かれてはいるが、これは例外的な場合の説明的に小さな囲みで書かれている。全体としては、あたかも10年間手作業によるフィルターの清掃が不要と使用者に思いこませる文章になっている。

しかしながら、熱交の状態を見るためにフィルターを取り外してみると、フィルターの前面(風上)は自動清掃装置の効果で埃がほとんど無いものの、裏側に3mm近くの厚みでびっしりと埃が付着していた。取説によると、この清掃装置はフィルター前面についた埃を、ブラシで掃き落とす仕組みらしい。その際、ブラシがフィルターの目の中に押し込んでしまった繊維状の埃が取れず、その上からさらに押し込む形で埃が分厚く蓄積した様だ。このような形で埃が蓄積することは、設計者の想定外だったのだろう。

フィルターに貯まっていた埃は電気掃除機と水洗いで簡単に除去でき、運転テストを行うと一気に効きが良くなった。埃の層の厚みと密度から判断すると、通気抵抗が著しく高くなって風量が大きく減少していたのだろう。

今回、フィルター自動清掃機能付きのエアコンでも、フィルターに埃がたまって効きが悪くなるものだと言うことを知った。自動清掃機能付きのエアコンでも、シーズン前には点検とフィルターの清掃は必要だと考える方がよいようだ。

それにしても、10年間手作業でフィルターを清掃する必要がないと思わせるような取説は、故意に誤解させる意図をもって書かれているような印象を受けた。今回の装置はパナソニックのものだが、他社のものでも恐らく似たり寄ったりだろう。

June 13, 2013

大荒れ相場続く

今日も相場は大荒れだ。背景には世界中に主要国の年間予算総額の何年分もの投機資金があふれていることがある。その結果、投機市場で動き回る資金の制御は、一国の政策では対処できなくなっているのだ。

さらに、資金の動きを激しくする要因として、相場を支配勢力が「投資組織」から「投機組織」に交代していることもあげられる。短期の利益を追う投資組織が市場を荒れた物にしていたが、現在の支配勢力である投機組織はさらに短い期間での利益を求めるため、風評や憶測で右往左往する傾向が強い。これが相場変動をさらに荒くしている。

これはアベノミクスの限界であることも確かだが、グローバル化した相場を一刻でコントロールしようとすることが幻想にすぎないと言うことだ。

経済再生を目的とするのであれば、所詮は投機資金の供給にしかならない金融資金供給よりも、直接に国内の雇用を増す起業投資に対する減税や政府融資などを行う方がよい。

梅雨が消滅

異例に早い梅雨入り梅雨入り宣言(最近は「宣言」ではないらしいが)だったが、西日本ではさっぱり雨が降らない。

今日(2013/06/13)もまたかんかん照りで気温が35℃を超えた。天気図からも梅雨前線が消滅しているし、週間予報でも雨の気配がない。このままでは西日本の大渇水が必死の情勢に見える。

もっとも天候の予想はプロでも難しい。6月末からは豪雨続きと言うこともあり得る。あまりひどくならず、ほどほどに降ってくれることを祈ろう。

June 12, 2013

続くトルコの争乱

トルコの反政府活動による争乱が続いている。

この争乱は、イスラム今日の協議による統治を目指す勢力に支持された現政権と、それに反対する世俗派の抗争という要素があるため、イスラム教にもとづく統治に対する反感が強い西欧キリスト教国は反政府側の支援に動くかもしれない。と言っても、隣国のシリアの反政府勢力を支援するトルコの政治的位置づけから、政権に対する外向的圧力にとどまるだろう。

また、日本ではこの争乱がオリンピック開催都市選びに悪影響することを期待する向きが多いようだ。しかし前回東京が開催都市に選ばれた1950年代後半、日本では反安保闘争や労働争議による死者も出るような争乱が荒れ狂っていた。それにもかかわらず東京が選ばれたことから見れば、次回の開催都市選びに対する影響は限定的になる可能性もある。トルコの争乱によって東京が有利とは考えない方がよい。

June 10, 2013

景気が良くなると株価が下がる

株価動向についてのテレビ解説(2013/06/10)を聞いていて、景気が良くなると株価が下がると言うので、ものは言い様だと笑ってしまった。

その解説によると、米国の雇用や消費が上向くと金融緩和策が縮小されるので、金利上昇を嫌って投機組織が株を売りに出るのだという。だから米国の景気を示す指数が良くなるのは好ましくないのだそうだ。

ある者は景気改善が期待できれば株が上がるといい、またある者は景気改善が見込まれると株価が下がると言う。全く正反対の理屈や説明が堂々とまかり通るのが投機の世界なのだろう。

エコノミストやアナライザーと呼ばれる商売は、全くいい加減なものだとつくづく思った。

今年の夏も荒れ模様(2013)

この数年世界的に荒い天候が多いが、この夏も荒い天候が増えそうだ。

ニュースで見る限りでも、ピレネー山地とドイツ東部からチェコにかけては大雨で洪水に、中国南部でもやはり大洪水が発生しているようだ。その一方でロシアの穀倉地帯やカリフォルニアでは干ばつが続いているという。大型トルネードが多発している米国中央部も洪水の可能性があり、今後の天候は予断を許さない。

西欧の洪水には、都市拡大やかつては氾濫原出会った場所の農地化や宅地化による緩衝地域の現象も指摘されていて、日本の都市型洪水と似た要素もあるようだ。しかし、天候の振れ幅が大きくなっていることと無関係ではないだろう。今後ますます天候災害が増えると予想する研究者もいるので、なめてかかることはできない。

June 08, 2013

願いは叶うのが当然?

最近のニュースを見ると、物事が思い通りにならないことに耐えられなくなった結果の犯罪が多い様に思う。

我々戦後に子供時代を過ごした者には理解しにくい。なぜならばあの時代は物資がなく、大部分の国民が貧しかったからだ。そのため、何かを願って努力してもそれが叶わないのが当たり前だった。つまり、願いが叶わないからと言って、いちいちキレていては生きてゆけなかったので、否応なしに願いが叶わないことに対する耐性が身についていたのだ。

しかし昭和50年頃から、進歩的な教育専門家達が「願いが叶わないのは、子供の心に傷を残すから良くない。願いは何でもかなえてやらなくてはいけない。」と主張し始めた。一方で、社会全体がゆたかになり子供がほしがる物を買い与えることは容易になった。その結果、教育の現場でも家庭でも、子供の願いを叶えてやるのが正しく当然だとされる様になった。この常識の産物が「願いが叶わないことに耐えられない子供達」だ。

ストーカー事件も無差別襲撃事件も、どちらも願いが叶わないことにキレた者達が起こしている。このような事件を減らすためには、幼時から「願いが叶うことはまれなことで叶わないのが普通だ」と言うことを教えるべきだ。

June 06, 2013

ボクよい子でしょ?;「オスプレイ訓練を八尾で」

利口ぶった小学生がよくやる、「ボク良い子でしょ?」とそっくりな橋下・松井発言。

「沖縄の痛みを分かち合う」ためとの言い分だろうが、別の見方をすれば「八尾飛行場のような大都会の真ん中」でも安全にできるようなことを、普天間基地周辺住民はいやがっていると言う趣旨にもとれる。

相変わらず人気取りだけを考えて短絡的に発言をする橋下氏の癖がよく出ている。以前にも「普天間基地を関空に移転しては?」と発言して、泉佐野市や岸和田市から猛反発をくい、挙げ句の果てに他府県から関空への移転を具体的検討してはどうかと言われ、受け入れ拒否発言に走らされた前例もある。

今回も、普天間基地より遙かに悪条件の八尾飛行場での訓練など、米軍が受け入れないことを想定して、良い子ぶることを目的にした発言だろう。そうでないとすると、どこか頭の中のねじが抜け落ちているとしか言いようがない。

どちらにしても、政治家としての適性を疑われて当然の発言だ。

続く株の乱高下

今日(2013/06/06)もまた株の乱高下が続いている。背後にあるのはアベノミクスに対する疑心暗鬼だけに、群集心理がどう動くかは予想しがたい。当分はこんな乱高下が続くだろう。

過去のバブル期やミニバブル期と比較して平均株価の推移を見ると、今回はミニミニバブル(あるいはマイクロバブル)であって早くも潰れ始めているようにも見える。これが潰れないようにするには、泡の中に何かを詰めなければならない。それは雇用増による一般勤労者の所得増がもっとも好ましいのだが、今のところ安倍氏が述べているのは小泉政権時の竹中氏の主張をなぞっているだけのように見える。

前回政権担当時の「美しい日本」のような空疎な言葉ではなく、実効のある政策論が必要だ。言葉や統計上のごまかしではなく、実質的な勤労者所得増。これこそがアベノミクスの実態でなくてはならない。そうでなければ2005年から2007年にかけてのまやかしの好景気同様のバブルに終わるだろう。

投機で儲けた富裕層による高価格商品の購入増が伝えられているが、これらに対する支出は国外に流出して一般勤労者の所得増にはつながらない。また、これら高額商品は国内消費の中でしめるウエイトも低い。一般勤労者による一般消費動向にこそ注目すべきだ。

追記;
今回の金融緩和は「異次元の緩和」だから、過去の経験に基づく批判は適切ではないと主張するエコノミストもいるようだが、バブル期には「これまでとは異なるニューエコノミーで土地も株も上昇し続ける、だから行き詰まる恐れはない」と主張するエコノミストが多数いた。両者の主張は極めて見通っており、裏付けとなるものがない点で共通している。

バブル期のエコノミストの主張が投機をあおるための虚構であったように、今回の「異次元の金融緩和」も虚構、あるいはキャッチコピーに過ぎないと思われる。エコノミストの主張は鵜呑みにしない方がよい。自分自身の目と感性で見て、自分の責任において判断することだ。

もっともこれだけ乱高下すれば、投機のプロ達にとっては稼ぎ時だろう。素人にとっては鴨にされ時だが。

June 02, 2013

政治家ブラックリスト

橋下大阪市長が国際的な政治家ブラックリストに定着したようだ。訪問先で会見を希望していた要人から会見を拒否されて、訪米を断念せざるを得なくなったことがそれを証明している。

 

このリストは文書やデーターベースとして存在するわけではないが、国民を抑圧する独裁者、常習的に高額の賄賂を要求する政府高官、不穏当な発言を繰り返す政治家、不満分子に迎合してそれをあおる政治家、発言が一貫せず信頼できない政治家などが含まれる。そして、ブラックリスト政治家というレッテルが貼られると各国各界の高官や要人が関わりを持つことを避けるため、政治的な発言力・影響力に深刻なダメージを受ける。

 

これまで橋下氏は不穏当発言を行って注目を引き、それを批判する者を悪役に仕立て逆に非難することで人気を得てきた。しかしそれを繰り返してきた間に、不穏当の程度が大きくなり舌先三寸の屁理屈や言い訳では取り繕えなくなってきた。今回の「従軍慰安婦」関連発言も、本人が外国からの非難に反発したのかあるいは反発する者達に迎合しようとしたのかは分からないが、極めて軽率で不用意なものだった。

 

発言に対する海外からの批判に耐えきれなくなったのか、「従軍慰安婦」問題にどう対処するかは国の責任だとして逃げを打っているが、これも影響力低下を大きくするだけだろう。

 

橋下氏が表舞台から逃げた代わりに、松井大阪府知事が「オスプレイ訓練に八尾空港を提供する」と発言してメディアの注目を引こうとしている。しかし橋下氏の手法をなぞっていれば、今度は松井氏がブラックリスト入りすることになりかねない。「維新の会」影響力を保とうとするならば手法の変更が必要だ。しかし、手法の変更自体が「維新の会」への支持低下につながりかねないので悩ましいところだろう。

風力発電が気候を変える?

最近、風力発電用の風車が多数設置された強風地域で、平均風速が低下して風害の減少が期待されていると言う報道がいくつかあった。

風害の減少自体は好ましいことだが、大規模な風車群が多数建設されると気象や気候に影響する可能性がないとはいえない。これが少々心配だ。

なぜならば、風は地球全体の気候を穏やかにする役目を担っているからだ。高緯度地方から吹く風は冷熱を、低緯度地方から吹く風は温熱をそれぞれ中緯度地方に運び、混合することで高緯度地方の寒さと低緯度地方の暑さをともに緩和している。大規模な風車群が局部的とはいえ風の状態を変えると、これが全体に影響して地球全体の熱移動のパターンを変化させるかもしれない。

気象はカオティックな現象であり、全く同じことは繰り返さない。また、小さな差異が時間とともに拡大し大きな差になることもある。それを表現する「バタフライ効果」などと言うジョークがあるぐらいだ。だから、今日建設された大規模風車群が数十年後に猛烈な熱帯性や温帯性暴風を多発させたり、千年後に氷河期をもたらしたりしない保証はない。

現時点でそのようなシミュレーションは行われていないが、総発電量がGwHクラスの大風車群があちこちに建設されるようになるとどうなるか、人類がこれまでに繰り返してきた予測不十分による「想定外」の災害を防ぐためにも、十分な研究を行って気象や気候への影響が少ない建設の仕方(風車群の建設地の決定方法など)を明らかにしてほしい。

追記;
気象現象のカオス性から言えば、大都市化とそこでのエネルギー大量消費が気候に影響を与えている可能性も研究する必要があるだろう。大都市というホットスポットの出現が、地球の熱循環を変化させている可能性も完全には否定できないからだ。

3,4とばしで8?;テレビの将来

NHKが2020年から8Kテレビの本放送を始めると報じられている。(読売オンライン「高画質「8K」放送、2020年から…NHK」

この記事によると4Kテレビの試験放送を2014年から民法で、8Kテレビの試験放送を2016年からNHKがともにCSで行うという。ただしCSは契約者が少ないので、2020年から8K放送をBSでも行うそうだ。

こんな記事を読むと、最終的に本放送は4Kをとばして8Kになるのではないかと言う気がする。

2K(ハイビジョン)の普及には10年以上かかり、最終的には放送方式の変更という強制が必要だった。家電メーカーの事業としては展開に失敗したと言って良いだろう。

また、メディアがさんざん持て囃した3Dテレビは(何度目かの)大失敗に終わった。さらに家電メーカーが推進しようとしている4Kは、NHKが推進しようとする8Kとの競合が露呈した。

4Kが高画質を宣伝しても、より高画質の8Kがすぐ後ろに控えている状態ではどれだけ訴求力があるだろうか?2,3に続いて、4もまた失敗に終わる可能性が見えてきた。4Kの本放送計画がない現状では4とばしも十分にあり得る。

追記(2013/07/12);
テレビ放送の可能性はともかく、4Kや8Kのような高解像度での大画面は、CADや科学技術用ワークステーションのモニターとしての需要は十分にありそうだ。一般家庭のテレビ用としてこのような高解像度パネルが普及すれば、これらの用途に向けたモニターの価格も下がり歓迎されるだろう。

June 01, 2013

希少糖;新ダイエット食品

NHKの「サイエンスゼロ」で、「希少糖」なる物を紹介していた。

「希少糖」とは化学構造上「糖類」に分類されるが、生物が利用しないため自然にはほとんど、あるいは全く存在しない物を言うのだそうだ。その中には、グルコース(ブドウ糖)の吸収を妨害するため新規なダイエット食品として期待されている物もあるという。

今回紹介されていたものは「プシコース」という6炭糖化合物で、グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)の異性体になるようだ。これは食品として十分な甘みがあり、腸でのグルコースの吸収を阻害するため甘味料として使うと血糖値の上昇を抑える効果があるそうだ。ただ、現時点では非常に高価なため安価な製造法を研究中だとのこと。

ただ、一つ気にかかることがある。それは、「プシコース」の水溶液を散布すると植物の発芽を阻害する効果があると言う点だ。これは除草剤の可能性もあるとして紹介されていたのだが、プシコースが生物分解されにくいことを考えると少々気にかかる。生物分解されにくいと言うことは環境に蓄積しやすいと言うことを意味し、それが生態系に悪影響を与える可能性があるからだ。この点についても、環境ホルモンの二の舞にならぬよう実用化前に詳細に検討してもらう必要がある。

補足1;
糖類とは炭水化物(炭素と水の化合物)の別名があるように、化学式 (CH2O)n または(CnH2nOn)で表される化合物(n=2~10)の総称だ。n=1のものは「ホルムアルデヒド」で糖類には含まない。自然界に産する物の多くはn=5または6で、n=5の物を「ペントース」類、n=6の物を「ヘキソース」類と呼ぶ。またnが同じでも、立体異性体や光学異性体が多数ありそれぞれ区別される。

さらに、糖のユニットが一つだけの物を単糖類と言い、代表的な物は「グルコース(ブドウ糖)」。複数ある物を多糖類といい、代表的な物は「デンプン(澱粉)」や「セルロース(繊維素)」。また、ユニットの数が少ない物(n=2~4)を「オリゴ糖」と呼び、代表的な物は「ショ糖(砂糖)」や「麦芽糖」。ただし、食品添加物としての「オリゴ糖」はn=3~10のものを指すようだ。

水素の一つが他の原子団で置換された物もあり、やはり糖類に含まれる。「アミノ基」で置換された物が「アミノ糖」で、「キチン」の主成分である「グルコサミン(グルコース+アミン)」や軟骨に含まれる「コンドロイチン硫酸」の成分である「ガラクトサミン(ガラクトース+アミン)」が代表的な物。

補足2;
生物が利用しないと言うことは、それを効率良く生産する生物がいないという事でもある。グルコースなどからプシッコースに異性化する酵素も存在しないだろう。製造コストが高くなるのも当然だ。効率よく生産するには、遺伝子操作による微生物改変が必要かもしれない。

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