また無用な橋下発言
またまた橋下氏の無用な発言が非難を浴びている。同じような右派系の著名人は、第二次大戦戦勝国のメディアの監視下にあることが分かっていないようだ。
彼らには国際感覚が欠如しており、日本人を賛美する自己中心的な考えしか持ち合わせていない。しかし現実には第二次大戦戦勝国の論理が世界の主流であり、その中ではドイツと日本は今でも戦争で犯罪行為を行った悪質な国家と認識されている。戦後、日本でもナチスドイツを悪役とした戦争ドラマや映画が多数放送されたり公開されたりしたが、日本を悪役とした同じようなドラマや映画も多数制作されていたのだ。
多くの日本人はナチスドイツが悪であったと当然のように受け入れているが、戦勝国で日本国が悪であった考えられていることには無知である。
そして、戦後のドイツと日本には決定的な違いがある。敗戦後ドイツは自分たちの行為が悪であったと認めて公式に謝罪したが、日本はあれこれいいわけを並べて公式に謝罪していない。これが戦勝国国民の多数を占める考えだ。だからかつての日本国を養護する日本人政治家の発言には敏感に反応して手厳しく非難を浴びせる。メディアも日本国が戦前のあり方に戻らないかどうかを詳細に監視しており、そのような動きがあれば警鐘を鳴らした世界に知らせる義務があると考えている。これが「日本ばかり非難される」理由だ。
勝者の論理が正義とされ敗者の論理が悪とされるのが常であることは、歴史を振り返ってみれば容易に分かることだ。日本の歴史でもそれは繰り返されてきた。だから世界が敗戦国日本国に求めているのは、戦前の日本国の行為を素直に否定して謝罪せよと言うことだ。「過ちは素直に認めて行いを改めよ(過則勿憚改;過ちては則ち改むるに憚るなかれ【論語】)」と言うことだと言っても良い。あれこれ理屈をこねてそれを拒む日本が非難されるのも当然だ。
だからそれを踏まえたうえで、著名人は自分の発言がどう受け取られるかに注意を払うべきだ。たとえ身内の集まりでの発言であっても、たちまち世界中に流される。支持者がそれを広めようとするからだ。そして世界中からその内容を非難され、日本国内でもそのような発言をする軽率さで信頼を失う。日本国内向け限定のリップサービスが可能な時代ではないのだ。
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