風力発電塔が倒壊する理由
強風でまた風力発電塔が倒壊したと報じられている。集計はしていないが、毎年数基が強風で倒壊しているのではないだろうか。これは事故頻度としては異常に高いと言わざるを得ない。
倒壊する度に、製造会社から「設計上強度は十分にある、原因は不明だ」というコメントが出るがその後どのように原因究明が進められ、どのような改善策がとられたのかという点については報じられたことがない。このため、改善の実情は知ることができないのが残念だ。
ただ、倒壊の原因として風による振動があり得るのではないかという気がする。強風で風車に加わる圧力とそれによる塔体の曲げ応力については、見積もりやすいので詳細な検討が行われているだろうが、風車と塔体の風下側にできる渦(カルマン渦列)による振動は十分に解析されているのだろうか。この渦によって生ずる振動と塔体の固有振動との兼ね合いによって、塔体のどこかにストレスが集中することはありうると思う。また、風圧で塔体が少したわむだけで振動モードが大きく変わるかもしれない。そのような点についても十分な解析が行われているのであればよいのだが。
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