注文していた「Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro」が届いた。よく利用する家電量販店のオンラインショップで、取り寄せになっていたので10日程かかると見ていたのだが、3/09に発注して今日(3/14)だから予想外に早かった。
早速ベランダの鉢植えで近接撮影を試してみたのが下の画像。いずれもテストと言う事でトリミングも補正もしていない。
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「ひごすみれ」 Canon EOS6D レンズ;Sigma 24mm F1.8 Aspherical Macro 測光モード;パターン(評価測光)、補正+1Ev 撮影モード;絞り優先 上から、f=1.8 1/250、f=8.0 1/40、f=22 1/30 感度;AUTO(上から、ISO100、250、1600) ホワイトバランス;曇天
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曇って光の条件が悪かったが、何とか手ぶれはせずに撮影できた。周囲にゴタゴタと他の鉢を置いて撮影したのだが、短焦点レンズを絞り込むことで、通常のマクロレンズより深い焦点深度が得られることは、ある程度示せたと思う。
花の美しさだけを狙うのであれば1枚目のように背景をぼかすのだが、このような画像は50mm~100mmの一般的なマクロレンズで十分だ。しかし、生態写真的に周囲の状況を取り込み、かつ花そのものも大きく写したい場合にはやはり広角マクロが必要だ。
今回はテストとして手近な被写体を使ったが、光の条件の良い時に山でまともな写真をとる事にしよう。
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追記(2013/03/14); 保護フィルターを取り付けながら思ったことが一つある。それは超広角レンズになると、フィルターによって発生する収差も馬鹿にできないのではないかと言うことだ。
分散(補足)によるずれの量は入射角が浅く(大きく)なればなるほど大きくなる。従って画角が大きい超広角レンズでは、低分散ガラスを使用したフィルターでなければ周辺部の画質が目に見えて低下することがありそうだ。昔の高屈折率樹脂製の眼鏡レンズは分散が大きかった為、横目で見ると物の輪郭に色が付いたのがその例だ。やはり、技術が高く信頼できるメーカーのものを使うべきなのだろう。
補足;「分散」とは、光の波長によって屈折率が異なる現象で「色収差」の原因。虹の外側と内側で色が異なるのは「分散」があるからだ。置物やシャンデリアに使う鉛ガラス(クリスタルガラスの一種)が多彩な色の光を放つのも同じ理由。通常屈折率は波長が長い赤から波長が短い青紫に向かって大きくなるが、逆になる場合(一部の波長範囲だけの場合もある)もあり、この現象を「異常分散」(または「負の分散」)と言う。
蛇足;それにしても77mmΦフィルターはでかい(それに高い)。枠が厚いフィルターでもケラレが出ない為だとは思うが・・・・。
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追記(2013/03/17); 神戸市立森林植物園の福寿草で、90mmマクロレンズと24mmレンズとの比較をしてみた。
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これは90mmマクロレンズの画像。
周囲の状況は、画面内にほとんど取り込めていない。 逆に花だけを強調したい場合には、画面を整理しやすいので画角の狭さや焦点深度の浅さが有利になる。
レンズ;Tamron AF SP 90mm F2.8 Macro
Canon EOS6D 絞り優先モード f=4.0,1/250 パターン測光
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こちらは24mmレンズの画像。
周囲の状況が広く取り込まれているが、細かい様子はよく分からない。
レンズ;Sigma 24mm F1.8 Aspherical Macro
Canon EOS6D 絞り優先モード f=4.0,1/250 ISO=100 パターン測光
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これはf=11まで絞った場合の画像。
背景がかなりはっきり見えるようになる。
同上; f=11,1/30 ISO=100
晴天の手持ち撮影では、このぐらいの絞りを多用することになるだろう。
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一杯まで絞り込むとこんな感じ。
同上; f=22,1/40 ISO=100
感度面ではまだ余裕があるので、もう2段階上まで絞りがあるといいなというところ(補足)。
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これはCanon PowerShot SX30 ISによる画像。
焦点距離4mm(フルサイズの24mm相当)
撮影モード;オート 露出不足になったので若干補正した。
色収差が目立つが、さすがに極端な焦点距離の短さが、深い焦点深度を実現している。
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以上のように、一般的なマクロレンズやコンパクトカメラとの比較をしてみたところ、このような構図はやはりコンパクトカメラの得意種目だと言う事が分かった。ただし、画像の階調感や繊細さではフルサイズカメラの方が遙かに優れていることも確認できた。状況や目的に応じて使い分けることにしよう。
補足(2013/03/31); とは言うものの技術的には難しいのだろう。絞りの数値は、レンズの焦点距離をその数値で割った大きさまで光路径を小さくすると言うことを意味している。
もっとも絞りがある部分の光路径は、絞りのメカニズムを納める為縮小されている。その為実際の絞り径は、下式のように絞りがある部分の光路径に解放絞り値を掛けた数字を絞り値で割った値になる。
d=D×F÷f d;絞り径 D;絞り部分の光路径 F;開放絞り値 f;絞り値
仮に、D=40mm,F=2.0とすると、 f=22では、d=40×2.0÷22=3.6(mm) f=32では、d=40×2.0÷32=2.5(mm)となる。 一眼レフなどの高級レンズに多い多板式絞りでは、絞り経が小さくなるにつれ絞り板が厚みのせいでねじれる為設計がつらくなるだろう。
なお、絞りの数値が2のn乗の平方根で並んでいるのは、絞りひと目盛りごとに光量を半分にする為、光路径を1/√2にするからだ。
追記(2019/05/15); フルサイズ用超短焦点マクロレンズとしてLAOWA LW-FX 15mm F4.0 WIDE MACRO 1:1 に興味を持っている。 メーカーサイトには私が取りたい構図、背景をぼかさずに取り込んだ画像の例があり、周囲を取り込んだ生態写真的な花の写真を撮りたい私には向いていそうだ。
残念ながら今は腰を痛めていて野山に出かけられない。 回復に努めて行けるようになったら購入することも考えたい。
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