マクロレンズ
別記事「Canon EOS6D(4);画像例」でクローズアップレンズについて書いた際、現在使用しているクローズアップレンズ「Tamoron AF SP Di90mm 1:2.8 Macro 1:1」に使いにくい点があると書いた。
それは、ピント合わせに伴ってレンズの全長が変化することで、マクロで常用する至近距離では特に変化が大きい。このため、ピント合わせでレンズの先端が移動し、それによってフレーミングが変わってしまう。そこで、フレーミングを修正する為カメラを移動して再度ピントを合わせる。これを何度か繰り返さなければならないのがこのレンズの面倒なところだ。
カメラが発明された当初、ピント合わせはレンズを前後に動かして行っていた。しかしその後、レンズの構造が複雑になるにつれて単純に全体を前後に動かすだけでは不都合が生じるようになった。このためピント合わせのためにレンズを動かす方法も改良され複雑になった。今では何枚もあるレンズをいくつかのグループに分けて別個に動かす方法(フローティングフォーカス)や、中間にあるレンズのグループだけを動かす方法(インナーフォーカス)、最後部にあるレンズのグループを動かす方法(リアフォーカス)など、多種が考案され実用されている。
被写体との距離が離れている場合には、ピント合わせによるレンズ全長の変化はフレーミングにほとんど影響しない。しかし被写体が至近距離にあるマクロ撮影ではフレーミングへの影響が著しい。そこで全長が変化しないタイプのレンズが使いやすいことになる。このような点から、これからマクロ撮影用のレンズを購入しようとする場合には、全長が変化しないタイプの物を選ぶとよい。
このような見地からレンズメーカーのラインアップを調べてみると、90~110mmの中望遠マクロと呼ばれる物にいくつか全長が変化しない物が有ることが分かった。マクロレンズの購入を考えておられる方は一度当たってみるとよいだろう(と言っても、既に全長変化がないインナーフォーカスタイプが主流になってはいるのだが・・・・)。
追記(2013/03/04);
自動焦点レンズでインナーフォーカスタイプが主流になってきているのは、レンズ群全体を動かすよりもモーターのパワーが少なくて済むからだろう。動かす質量が多ければ多いほどモーターパワーへの要求が大きくなり電力消費も増える。従って電力消費を減らす為には、一部のレンズのみを動かすインナーフォーカスの方が有利になる。
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