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February 16, 2013

火器管制レーダー照射開示証拠の開示見送り;素人大臣の空騒ぎ

今日の報道で、火器完成レーダーの商社を受けた証拠の開示を見送る事になったと言う。当然だ。

当然だという理由はいくつかあるが、その第一は開示が自国の軍事技術の秘密情報開示になると言うことだ。どの国も、他国からの種々の探知や計測目的の電磁波照射を、どの程度の距離からどの程度の精細度で検知したかと言うことは高度の軍事機密としている。従って、どのように探知したかを開示するというのは軍事機密に無知な素人の言うことだ。

その第二は、了解無しに接近してきた他国の軍用艦艇に対して火器完成用レーダー波を浴びせることは特に珍しくもないことだからだ。特に近距離でうるさくつきまとう非同盟国の艦艇に対しては、「接近しすぎている、離れよ」という意味の警告として指揮官の判断で行われることがある。これは、ヤマアラシが針を立てて鳴らしたり、ガラガラ蛇がしっぼを振って音を立てるのと同じ「近づくな」の意思表示だ。火器管制レーダー波を浴びせる事は、戦闘を開始する為に必要なことではあるが、上記のように必ずしも戦闘を前提とした行為ではない。テレビ番組の解説で、「戦闘の準備行為であり一触即発の危険な状態だ」と話していた「軍事評論家」が何人もいたが、これは「挑発行為だ」という雰囲気を煽りたいメディアに迎合したのか、それとも「ヒョーロンカ」特有の無知からなのだろう。

実際には、この程度のことは冷戦時代には日常的に行われていたし、今でも南シナ海やペルシャ湾では日常的に行われているだろう。レーダー波を浴びせられた方は、「俺はなにもしていない」として無視するか、「うっかり近づきすぎました」の意思表示として離れるかのどちらかを選ぶことにある。ゆっくり離れれば非を認めずに撤退したことになるが、急激に離れた場合には「うっかりしていました、ごめんなさい」と非を認めて謝罪の意思表示をしたことになる。一般的には少しづつ時間をかけて離れることで体面を保とうとするだろう。

と言うわけで、今回日本政府が大騒ぎしたことは他国から馬鹿にされる原因となっただろう。その分野の常識がない素人が、責任者である大臣を論功行賞の回り持ちで務めるという、日本の政治体制の問題点を世界に示したとも言える。

今回の空騒ぎも、日本人としては全く持って恥ずかしい。

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