オプショナルツアーで多発する事故;原因は品質管理上の欠陥にある
またもオプショナルツアーでの大事故が発生した。オプショナルツアーでの死亡事故はこの何年も年間数回は発生しているので、「多発」と言ってよいだろう。
根底にはツアーパックを販売する会社の品質管理の悪さがありそうだ。ツアーのパッケージは販売業者の製品であり、製品の品質管理の重要さは製造業であっても非製造業でも変わりはない。今回のオプショナルツアーは、製造会社における外注依託生産と同じで、外注委託先の管理に手抜かりがあったことになる。
製造業における外注依託に関しては、ISO9000シリーズに規定(管理の指針)があり、発注業者はそれに従った手続きで外注依託先を管理することが要求されている。その手続きには、外注委託先に対する監査や査察も含まれており、その結果の判断の当否は発注側の責任となる。つまり、外注依託先から得たものが原因の製品となった事故に対しては、発注業者の外注依託先管理に手落ちがあったとして、は注側が一次責任を負わねばならないのだ。
それに鑑み、オプショナルツアーの品質について誰が責任を負うのかと言う点については極めていい加減になっている。パッケージ販売会社はオプショナルツアーの実行会社の問題のみを振りかざし、自社に一次責任がないと主張する。しかしこれは、外注依託先の行為にも責任を持たねばならないとする、ISO9000シリーズの基本精神からは許されないことだ。
そのような観点から、今後もオプショナルツアーでの事故が再発するようであれば、ツアーパッケージ販売業者に対して、ISO9000シリーズの認証を受けるよう義務づけるべきだろうと考える。
補足(2013/03/30);
ISO9000シリーズの対象は、製造業だけでなくサービス業も含まれている。従って旅行代理店やツアーパッケージ販売業者も、サービス内容(品質)の管理体制が基準を満たせば認証を受けることができる。
認証を受けないまでも、要求事項となぜそれが要求されるのかを知ることは、サービスの質の改善に大いに役立つはずだ。そして、安全がサービスの質の重要な要素であることは言うまでもない。
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