賃上げ無き脱デフレは可能か?
民主党政権時代から、政府はインフレ目標の設定による脱デフレをと主張してきた。しかし、現在のデフレが(デフレだとすればだが)どのような経過でもたらされたのかを検証すれば、賃上げ無き物価上昇を継続することが不可能なことが分かる。
今や貿易収支赤字国である日本は、円安に誘導すればほとんど全ての商品やサービスのコストが上昇する。たとえば、円安によって発電燃料の円建て価格は上昇し、電力料金を上げなければ電力会社は経営を継続できなくなる。ガスについてもこれは同様だ。また、「物価破壊」と賞賛されてきた消費財輸入企業の経営も圧迫され、これは従業員の賃金切り下げ圧力になるだろう。そのた、ほとんど全ての労働者の賃金に引き下げ圧力がかかる。
このような状況では消費意欲は減退し、たちまち経済収縮スパイラルが再開される。
従ってまず最初にすべきことは値上げではなく、収入が継続的に増加すると言う安心感を労働者に与えることだ。これなくして安定した物価上昇はあり得ない。
それはバブル後の賃金減少による消費減退と安価輸入品指向が、長期のデフレをもたらしたことを見れば明らかだ。つまり、政府の賃上げ保証がない限り消費は増えず、従って継続的な物価上昇などあり得ないと言うことだ。
« Canon EOS6D(4);画像例 | Main | 4Kテレビ2014放送開始 »
Comments