上海の電気バス;ローテクな先進システム
NHKで先日、上海で実用化されている電気バスが紹介されていた。
これはトロリーバスの改良版で、給電用の架空線を不要にしたものだ。日本ではハイテクバスとして似たようなものを開発している企業があるが、実用化はまだ遠い先のようだ。これに対し、上海の電気バスは既存技術だけを組み合わせて既に実用化されている。
仕組みは極めて簡単で、停留所に設置した給電装置で短時間の充電を繰り返しながら走行すると言うものだ。給電装置は停留所の屋根にあり、停車中に集電器(電車のパンタグラフのようなもの)をのばして受電する仕掛けで、日本で考えているような無線給電装置のような新機軸は使われていない。上海でも市街地のバス停は数百mごとにあるだろうから、これで走行に必要な電力は十分にまかなえるのだろう。
トロリーバスは元々、車庫の出入りや終点での方向転換などの短距離はバッテリーで走行できるようになっている。従って、バッテリーや充電装置の容量は強化されてはいるだろうが、ほとんど既存技術だけで開発できたもの思われる。
これはアイディアとして極めて秀逸で、何かにつけて新技術を盛り込まないと評価しない日本人には参考にすべきものがある。
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