ミスマッチ
金融緩和と言っても、資金がほしい中小企業に銀行は金を貸さない。
就職難と言っても、人手がほしい中小企業には求職する者がいない。
ただ金融緩和を叫んでも、市中に出回る資金は富裕層による投機と外国製高級ブランド品購入、そして製造拠点の国外移転の資金に回るだけだ。これでは景気は良くならない。
直接に雇用増に繋がる投資への優遇措置を強化すべきだし、上級事務職ばかり望む求職者を他の職種に誘導する工夫も必要だ。
« November 2012 | Main | January 2013 »
金融緩和と言っても、資金がほしい中小企業に銀行は金を貸さない。
就職難と言っても、人手がほしい中小企業には求職する者がいない。
ただ金融緩和を叫んでも、市中に出回る資金は富裕層による投機と外国製高級ブランド品購入、そして製造拠点の国外移転の資金に回るだけだ。これでは景気は良くならない。
直接に雇用増に繋がる投資への優遇措置を強化すべきだし、上級事務職ばかり望む求職者を他の職種に誘導する工夫も必要だ。
インフレ目標をという声が高い。
しかし現状の日本を考えると、この用語は不適切だ。
所得増無しの物価上昇ではスタグフレーションによる生活苦が待ち構える。
まず雇用増と所得増を掲げるべきだ。でなければ消費意欲は伸びず、より安価な商品への指向が強まるだけだ。そしてそれはさらに国内製造業を衰退させ、勤労者の所得を減少させる。
そんな状況で物価が上がるわけがない。
セシウムを検出できる新しい蛍光試薬が開発されたという。この試薬はセシウムと錯体を作り、それに紫外線を当てると蛍光を発するので簡単に検出できるという。
ところが、これを報じた三大紙の記事には問題があった。それは「放射性セシウムを検出する試薬」と言う荷出しと内容だったからだ。しかしながら、この種の検出試薬は元素の区別は可能であるが核種の区別はできない。つまり、放射性であろうと無かろうと、セシウムでありさえすれば検出すると言うことだ。
と言うわけで、この記事を利用する詐欺が行われそうな気がする。非放射性のセシウム化合物は一般試薬(注)として簡単に購入できるので、これの薄い水溶液をまいておき、この試薬を使って光らせて見せて「セシウムがあるから除染する方が良い。うちが安く除染するから契約してくれ」と言うわけだ。あえて「放射性」セシウムと言わなければ嘘にはならないので、詐欺師には絶好のネタになりそうに思える。
その後、朝日新聞は見出しから「放射性」を外したようだが、他の新聞社はそのままだ。詐欺に利用されないよう、注意喚起が必要だと思うのだがどうだろう。
(注)薬局で身分証明無しに購入できる試薬。また、セシウムは花火に色をつける目的でも利用されている様に記憶する。
追記(2012/12/26);
特定の金属と結合してそれぞれに特有の色を示したり蛍光を発する化合物は、吸光分析や蛍光分析で多種用いられている。上記の記事にヒントを得て、希土類など他の微量元素を利用した詐欺が行われるのではないかと危惧する。
世界は終わらなかったが、ヨーロッパや北米は荒っぽい天候に見舞われているようだ。クリスマス休暇の交通が大混乱していると報じられている。
英国では洪水、米国では猛吹雪と洪水があちらこちらに被害を及ぼしているそうだ。また、ヨーロッパ本土の一部は暖冬になっているとの事。今年は年末まで振れ幅の大きい天候に悩まされたまま終わりそうだ。
それはそれとして、欧米のキリスト教徒には、このような荒れた天候を終末の日への序章ととらえる向きもあるそうだ。
神は最後の審判の為に降臨せず、終末の日は穏やかに過ぎていった。
ロバート・ブラウニングの有名な詩「ピパの歌」のごとく、「神空にしろしめし、なべて世はことも無し」(上田敏による名訳のほか、いくつかのよく知られた翻訳がある)。私は原詩を中学何年かの英語の教科書で出会った。たしか上記の上田敏の翻訳が並べて書かれていた。
選挙公約も政見も、野党であれば人気取りの為に気軽に言えるが与党の立場では与党の立場ではうかつに言えない事が多数ある。
前回の総選挙では民主党がその違いに気付かずに大盤振る舞いの公約をして失敗した。今回の選挙でも自民党の選挙公約中に同じ様な実現が無理と思えるものや矛盾するものがある。
有権者はそれをどう判断したのか、そして自民党は政権についてそのつじつまをどう合わせるのか。注目しよう。
郵政選挙では自民党が大勝し、それにすっかり舞い上がっての失政で次の選挙では大敗した。
前回選挙では自民党の失政に対する批判によって民主党が大勝し、今度は民主党が舞い上がって独りよがりの失政を行った。
そして今回は民主党の失政に対する批判によって自民/公明連合が大勝した。前回自民の大勝にすっかり舞い上がって失政を行った安部氏が、前回の失敗に学んで着実な政治を行うのかやはり舞い上がって失敗するのか、有権者は注視しなければならない。
それにしても、小さな差を拡大して議席獲得数が拮抗しないようにするの小選挙区制度だ。しかしそれはしっかりした二大政党があることが前提だ。小党が乱立するのは政治後進国の特徴だから、政治先進国にならって二大政党政治を確立するとのうたい文句で、中選挙区制度から小選挙区制度へ切り替えた。しかし、ヨーロッパ諸国のように小党が乱立する現状ではそれが良かったのか悪かったのか。
ついでに言えば、いわゆる政治先進国と言っても、二大政党政治と言えるのは英国と米国の2国だけだ。この両国では事実上二つしか政党が存在しない。英国では保守党と労働党で、保守主義と社会主義の両党の根幹はいつの時代も変わらない。米国では民主党と共和党で、こちらは大きな政府と小さな政府という根幹が貫かれている。そのような見方をすると、二大政党制というのはむしろ特異な政治形態と考える方が良いだろう。
最後に一言皮肉を言えば、公明党は今や自民党の一派閥「公明派」になったように見える。
予想通りの自民党圧勝に終わった今回の総選挙だが、その結果乱立していた群小政党は存在価値がほとんど無くなってしまった。
群小政党の目論見は、自民/公明連合が過半数を得られず、過半数確保の為に連携することで与党への影響力を行使することにあったと思われる。しかし選挙の結果、自民/公明連合が安定多数を確保してしまったので影響力を持つことは難しくなった。
こんな状況の中で存在場所を得る為に、各群小政党の対自民売媚行動が激しくなるだろう。解党して自民に合流するものも出てきそうだ。
昔の話になるが、会社の後輩と投票に行くかなどの話をしていて、「私は死に票になるのがいやだから予想記事を見て勝ちそうな陣営に投票する」と言うのであきれてしまったことがある。いわゆる「死に票」にならないことが大切で、政見や政策はどうでも良いのだそうだ。
それに関連して感じるのは、「死に票が代議員制民主主義の問題点だ、改善すべきだ」という主張を展開する評論家が何人もいることだ。その内容を見ると、彼らは「敗者に投じられた票」=「死に票」=「無駄になった票」と考えているようだ。
このような考え方は、現在学校で教えられているようだがこれは非常に単眼視的見方で、敗者に投じられた票は無視して良いと言う前提に立っている。しかし、我々戦後教育を受けた世代は、学校で「敗者に投じられた票も有権者の意思の表明であり、それを軽んじたり無視してはいけない」と教えられた。
二つの教え方を比較すると、現在の教育では多数派は少数派を無視して良いと教えているように見える。それでは「敗者に投じられた票」=「死に票」に見えるのも当然かもしれない。
私には、「死に票」批判は民主主義の根幹の一つを無視した見解の様に見えるのだがどうだろう。
また、「代議員選挙」とは小さな差を拡大して物事が決められる様にするシステムだ。その典型的な例が米国の大統領選挙だ。ここには大統領が決まらないことを極力避けようとする工夫の結果が見て取れる。選挙とはそんなシステムだと言うことを理解して、敗者に投じられた票を軽んじない様にしなければ民主主義は機能しない。
午前中に総選挙の投票を済ませてきた。
郵政民営化選挙以後、一つの党が大勝し暴走することが繰り返されているが今回はどうなるのだろうか。有権者がその失敗を反省してバランス感覚を持ってくれると良いのだが、期待はできそうもない。
今回も出足が遅いところから見て、報道の出口調査を見て勝ちそうな勢力に投票する者が大勢いそうだ。彼らは自分の投票先が落選すると「死票」になって無駄になるという奇妙な考えを持っているからだ。学校でそう教えられている様だが、それは誤りだ。
本来、投票自体が意思表示であり、不支持票がどれほどあったかも当選者が参考にすべきなのだが、不支持票は当選者の行動に影響しない、影響されなくて良いという教育が行われているようだ。これは与党だけに有利な考え方で、民主主義の原則に反している。我々の子供時代には、多数派は少数派の意見も尊重しなければならないと教えられたのだが、脱戦後教育の過程で変わってしまったのだろうか。
2012年12月に世界が終わるという説が流行していたが、さすがに最近は下火になってきた。
この月に終末の日にはいくつかの説があるが、その一つの12日には世界は滅亡しなかった。12日説の根拠は知らないが、2012.12.12と12が三つも並ぶので何かあればおもしろいと考えたのだろう。次は21日で、これはマヤ歴による世界終末だったと思う。この日も12.21と数字が対象になるので無理矢理結びつけたのだろう。
いずれにしても、キリスト教徒にとっては終末の日の神の降臨と審判は無くてはならないものだ。カルト系のキリスト教会の指導者や信徒の中には、終末の日が早く来て天国に行けることを切望する者もいる。これからも、何かに結びつけては終末の日が来ると言う主張が繰り返されるだろう。
一方、仏教徒にとっては世界の終末はまだはるか未来のことだ。仏教の宇宙観の基になったインドの宇宙観では、世界の終末はまだ43億数千万年先のことだ。面白いことに、これは天文学者が考えている太陽の余命に近い。一体どんな根拠からインド人はこの数字をはじき出したのだろうか。
北朝鮮がロケット打ち上げを予告する度に日本国内への落下の危険があると大騒ぎするが、その理由の一つとして迎撃を口実にして観測網を展開して飛行データをとる事があげられる。
ほぼ同じコースで打ち上げられる韓国ロケットには何の監視も行わず、北朝鮮ロケットに対してだけ高性能のレーダーを持つイージス艦を展開するには何かもっともらしい口実が必要だからだ。多数のレーダーによる詳細な観測が行われると、ロケットの性能が正確に把握され、北朝鮮の技術が丸裸にされてしまう。北朝鮮にとってこれは好ましくないことだろう。
今回、北朝鮮が虚偽情報を流して撹乱を図ったのは、こうした日米韓による厳重な観測網をはぐらかす目的があったのではないかと考える。
総選挙の投票日が近づく中、「自分に合う投票先を教えてくれるウエブサイト」が好評だそうだ。
商品については以前から「お勧め商品を教える」というこのようなサイトがあるが、選挙の投票先も自分では決められず、他人に決めてもらわなければならないものが多くなったのだろうか?
ただ、商品ならともかく、選挙に関しては作為的な誘導が行われる可能性があるので、このようなやり方は反対だ。一覧性の良いメディアで情報を集め、自分自身で比較して選択すべきだ。
2012/12/07の夕刻の地震に伴う、津波警報についての気象庁の記者会見をテレビで見ていて首をかしげてしまった。
それは、概況説明が終わり質問を受け付け始めた時のことだ。真っ先に質問をした記者の声がマイクに明瞭に拾われたのだが、それが「警報が出ている地域では、非難した後どうすればよいのですか?」というものだった。
私はこれを聞いて首をかしげてしまった。この記者は一体どんな答えがほしかったのか?あるいは本人がどんな間抜けな質問をしているのか全く理解できていなかったのだろうか。
これに限らず、様々な記者会見の場で変な質問を聞くことが多い。答えが分かりきっていて質問するまでもない様なことや、質問の意味が不明で逆質問して内容を確かめなければならないようなもの、質問と言うよりは言いがかりといえるようなもの、様々だがそのような質問を聞く度に記者の質の低下がひどいと感じてしまう。
朝日新聞の総選挙情勢調査によると、自民党単独過半数の可能性が高まっているという。そうなると、いわゆる第3極勢力が政局に影響力を及ぼす余地がほとんど無くなることになる。
選挙での集票を当て込んだ第3極勢力も、乱立でつぶし合いになり当選可能性が低くなり、さらに当選しても少数勢力となれば、新議会では埋没することになるだろう。そうなならじと派手に喧嘩を売る発言が多発するだろうが、それで目立てるのもたかだか3ヶ月だ。
結局は過去の新政党と同じく、衰退の道をたどりそうだ。
Windows8が発売になってしばらく経つが、いまだにWindows8のメリットが分からない。
うたい文句のタッチパネルはタブレットパソコン以外では無用だし、Windows8ProでXP用ソフトが動くというのもWindows7 Professionalと同じだ。またディスプレイをタッチ対応のものに買い換えたとしても、キーボードやマウスから手を離してディスプレイ上の操作を行うのは時間がかかって面倒くさい。その為、Windows7で動いているPCをWindows8に変える積極的な理由はなさそうだ。
もっとも、新しく買う場合にはWindows8の方が後までサポート期間がある点を考慮すれば、Windows8でも良いだろう。ただし、不評のユーザーインターフェースをWindows7式も使えるように変更するのではないかという噂もある。現用のPCが老朽化して買い換えを急がなければならないなどの理由がなければ、今しばらく待つのが賢明かもしれない。
今度の総選挙ばかりは、どう投票するかで頭を抱えてしまっている。
各政党は人気取りの無責任な「選挙公約」を並べるばかりだし、候補者個人で選ぼうにも人物像が見えない。むしろ政党以上に、明らかな「人気取り公約」を口にするばかりで信頼できない。その一方で、長年経歴で人物像が分かっている議員が次々と引退して行く。
さてどうしたものかと、思案投げ首の毎日だ。
中央高速道の笹子トンネルで天井が落下した事故は、東海地震あるいは東海・東南海大地震対策に大打撃を与える。
なぜならば、今回の事故はトンネルの基本構造にかかわるものであり、原因究明と復旧に長い時間(1年~数年)かかるであろうからだ。その間、東海・東南海大地震で機能が失われると予想される東名高速道に代わって、物資輸送の基幹となるはずの中央道が機能しないからだ。その間、地震被害が軽微と期待されている新東名一本が頼りになるが、被害地への救援が優先される為、東西日本間の物資輸送は大きな影響を受けることになる。
韓国が人工衛星打ち上げの準備を進めているが、それを追いかけるように北朝鮮も打ち上げ準備を進めている様だ。差し詰め南北の打ち上げ腕比べと言った所か。
ただ、敵対関係にある両国がこのように連続して打ち上げるとなると、韓国は良くて北朝鮮はダメだという主張が屁理屈に聞こえ、反北朝鮮陣営以外に対する説得力が低下するのは避けられない。それを狙っての後追い発射ということかもしれない。
日本にとっても、ほぼ同じ飛行経路になると予想される韓国のロケットには迎撃態勢をとらず、北朝鮮のロケットに対してだけ迎撃態勢をとる事に対する説得力が乏しく、反北朝鮮陣営以外の国からは、露骨な政治宣伝パフォーマンスだと言われることは避けられない。
追記(2012/12/03);
今回もまた、北朝鮮ロケット部品の落下に備えて迎撃ミサイルを配置するという。しかし、その直前にほぼ同じ方向に打ち上げられると思われる韓国ロケットに対してはなにもしないという。韓国はロケット技術が高いから落下の心配はないが、北朝鮮は技術が低いから心配だと言うことか?
単に、北朝鮮に対する恐怖感を煽る為の、そして北朝鮮を恐怖する者達をなだめる為のパフォーマンスとしか思えない。
北海増の暴風雪による停電はほぼ復旧したようだが、寒気は居座り続けているように見える。
高層気象図を見ても、日本上空に大きく蛇行が張り出した状態が続いている。それどころか、北極を中心とする寒気団が、北極海を境界にして西半球と東半球とに分裂した状態になっている。両者の中心はシベリアとカナダで、それぞれの周囲をめぐる渦を作っている。
昨冬も、グリーランド上空からシベリアに向かって北極海を横断して風が吹く状態が見られたが、今年は完全に二つに分かれてしまっている。これほどはっきりと北極寒気団が分裂するのも珍しいのではないだろうか。北極海の水温上昇が関係しているのかもしれない。
Recent Comments