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September 10, 2012

イラク争乱拡大とシリア内戦拡大の関係

最近のニュースによるとイラクの争乱が拡大しているという。爆弾による市民の被害が急増しているのだという。

イラクの争乱の根底にはイスラム教の宗派対立があるのだが、その背後にはスンニ派が支配するサウジアラビアとシーア派が支配するイランの、この地域での主導権争いが見える。イラクの支配権を自派で握ることによって、主導権争いで優位に立てるからだ。(付け加えれば、イラクの原油生産に対する支配権を手に入れれば、市場に対する影響力も強化できる。)

そしてその背後にはイランの影響力を低下させたいイスラエルの影もちらつく。打倒イスラエルを標榜するイランと、対米政策上の都合から親イスラエルの政策をとるサウジアラビアを抗争させることでイスラエルは安全度を高められるからだ。また、親イスラエルのサウジアラビアの影響力が強いスンニ派がイラクの支配権を握れば、イスラエルに対する反感を押さえ込むことができるとの期待もあるだろう。だから、背後でサウジアラビア支援を約束して、イランとの対立を煽っていることは十分に推定できる。そして両派の対立が深まれば、パレスチナ人に対する抑圧を強めてもイスラエルに対する非難を弱めることができる。

また、シリアの内戦激化の背景にも同じ構図がある。イランにしろサウジアラビアにしろ、自派がシリアの支配権を握ればイラクの場合同様にこの地域における勢力を拡大できるからだ。イスラエルにとっても親イスラエルのスンニ派がシリアの支配権を握れば、至近距離にある軍事的脅威を取り除くことができる。逆に反イスラエルのシーア派が支配権を握れば危険が増す。だから、イスラエルがサウジアラビア経由でスンニ派を支援していることは十分に推定できる。

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