大飯発電所の発電延期
大飯発電所の発電再開が延期されるという。
原因は蒸気タービンの振動がメーカーの推奨限界(事実上の許容限界だ)を上回っているからだそうだ。回転体の振動は回転数によって変化するので、さらに回転数を上げると収まる可能性はあるが、今後はこれまで以上に慎重に時間をかけて回転数を上げることになる。
今後、回転数を上げて振動が強まるようであれば発電中止になる可能性もある。だから、電力事情に対する楽観はまだできない。
振動の原因は、長期間低温に置かれた為バクテリアが繁殖して、ベアリング表面の平滑度が落ちた、同じ理由によりタービンにインバランスが生じた、など低温停止中に起こりそうなことはいろいろ考えられる。それらには、運転を続けるうちに解消されると期待できるものもあれば、ひどくな可能性があるものもある。慎重に様子を見なければならない。
振動が続くとタービンが破損する可能性がある。破損すれば再開には最低でも半年以上かかるので、無理をすべきではない。
訂正(2012/07/03 20:00)
今回報道されている振動の原因は、高圧側・低圧側のそれぞれに多数ある蒸気ノズルの圧力配分の調整が予定通り進んでいないと言うことかもしれない。発電用のタービンは直径が大きい為多数のノズルが配置されており、そのそれぞれに所定の圧力で蒸気を送る必要がある。これが非常にデリケートな作業であることは容易に想像できる。
追記(2012/07/05 21:16)
発電が始まり、少しずつ出力も上がっているようだ。火力発電所が一カ所停止中なだけに、慌てずに出力増加を続けてほしい。
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