AIJ事件;厳罰化で再発は防げるか?
AIJ投資顧問事件を受けて、再発防止の為厳罰化を検討するという。しかし、厳罰化で再発は本当に防げるのだろうか?
結論を先に言えば、私は防げないと思う。始めからだまし取る目的の詐欺であれば、厳罰化は多少の抑止力になり得るかもしれない。しかし、誠実に事業を行う意図で始めた者達が深みにはまり、大損失を出す場合についてはむしろ悪いかもしれない。
今回のような資金の投機的運用では、損失を出してもそれを取り返せると考えて追加資金の投入を繰り返し、最後にどうにもならなくなって破綻する例は少なくない。これは賭博で大損失を出す場合の経過と同じだ。
これはどちらの場合も同じ心理が働くからで、心理的な誘導無しには途中で止めさせるのは難しいだろう。このような場合、厳罰はむしろ損失を隠し深みにはまらせる方向に作用する可能性が高い。だから厳罰よりも、心理学者の知恵を借りて損失が小さいうちに抜け出しやすいような制度を作る方が良い。
たとえば、損害が少ないうちに届け出れば公的な救済が受けられ刑事罰も軽くて済むが、ある限度を超えると厳罰になり公的な救済もうけられない等を思いつく。賭博者の心理に詳しい心理学者の知恵を借りれば、もっと良い案が出てくるだろう。
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