超光速ならず
実験を詳細に見直した結果、装置の設置に問題があったことが見つかり、再実験ではニュートリノは高速を超えていなかったと発表された。
安心する結果でもありがっかりする結果でもある。安心は、アインシュタイン物理学がまだまだ使え、今までの常識が通用すると言う事である。がっかりは、現在説明困難な課題を解決する糸口にならなかったと言うことである。
科学者には、「使える理論は使い倒す」と言う習性がある。今回の「ニュートリノが高速を超える場合があるかもしれない」という報告が正しかったとしても、物理学者は何かアインシュタイン物理学の範囲内での説明を考えついただろう。それがどんな説明になるのかを楽しみにしていたと言うことは否定しない。
核エネルギーの時代を開いて現代社会に大きな寄与をしたアインシュタイン物理学が、社会的軛になる面も少しずつ見せ始めている。アリストテレス以来、物理学は何回もの大規模拡張を行ってきているが、次の拡張はいつになるのだろうか?
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