英国の底力
エリザベス女王在位60年祝賀の川下りをテレビ中継で見た。かつて多くの植民地を支配した時代のような直接的支配力は手放したが、今なお五十数カ国を擁する英連邦の盟主として国際政治に大きな影響力を持つ、英国の底力を見せられた思いだ。
豪華な御座船だけでなく、連邦所属各国の旗を立てた手漕ぎのカッター、そしてドラゴンボートやゴンドラ、レース用のエイトに一人乗りのカヤックまで、多種多様な一千隻の船がテムズ川をこぎ下る様には、船で帝国を築き今なお船に愛着を持つ英国人の誇りがあふれており圧倒された。また、見た目には雑然としているが混乱は全くなく、自分の位置と役割を心得た英国人の大人ぶりにも強い印象を受けた。日本でこのような行事を同じやり方で行おうとすれば大混乱になるだろう。
このような自負と自律性が大陸諸国に依存せず、つかず離れずで自立しようとする英国の外向的態度を支えているのだろう。それを見ると、米国ベッタリの依存的外交を行う日本のあり方は情けなく感じる。
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