離党に追い詰められた?;小沢氏の動向
一部の報道で小沢氏が離党するのではとの観測が出始めた。
民主党多数派の、小沢氏切り捨ての動きの中で何が何でも民主党にとどまろうとしてきた小沢氏だが、それも限度に来たと言うことだろうか?
資金面で追い詰められている小沢氏にとって、民主党の党資金への道を捨てることは自分の権力を捨てることに等しい。最悪でも、民主党を解党して党資金の配分を受けることが好ましい。だから離党は最悪の道で、何が何でも民主党にしがみついてきた。これまでの彼の軌跡が物語るように、分厚い札束あってこその「豪腕小沢」であり、金がなければただの人だからだ。
その小沢氏が離党に動くとすれば、この1~2ヶ月小沢氏の切り捨てへ圧力を強めていた主流派の作戦が功を奏し始めたのかもしれない。
小沢氏が離党して、何人が後に続くのだろうか?かつての金も組織もない小沢氏に従っても、小沢チルドレンにとって次の選挙は絶望的だ。それとも「反民営化でなければ何でも良い」、「自民でなければ何でも良い」、「民主でなければ何でも良い」の、「~でなければ何でも良い」を煽るメディアに期待をつないで、「非民主」、「非自民」の看板を選ぶのか・・・・。
もっとも、今更党方針への反対を撤回する事も、小沢氏にとっては不可能だ。そんなことをすれば、小沢氏の政治生命が完全にたたれるからだ。最早小沢氏にとっては、ただ反対を続ける事以外の選択肢はない。党幹部側ももちろんそれは織り込み済みだろう。その上で、野党の協力を得て可決する事を目指すと言うことだ。
これは、実情に合わないことが明らかになった選挙公約を、対立勢力に対する武器にすることを選んだ小沢氏が入り込んだ袋小路だったと言っても良い。
追記(2012/06/21 19:15)
ついに離党を口にし始めた小沢氏に果たしてどれくらいの人数がついて行くのだろうか。それは、追随を考える物が小沢氏にどれくらいの資金力があると判断するかにかかっている。
追随離党者が10人以下と言うことは無いだろうが、20人をどれくらい超えられるのか。政治解説者が口にする単独過半数割れになれば、党幹部が解散・総選挙に踏み切る可能性もある。そこまで考えるのであれば離党はしにくいだろう。
もっとも、今更主流派になびいても次の総選挙では党内の有利なポジションは得られないからと、破れかぶれで離党する者が大量にでる可能性は否定しない。
追記(2012/06/22 18:41)
小沢氏とともに離党する人数について憶測記事が出始めた。既に50人を超えたと言う者もあれば、45人というものもある。また、50人以上を目指して努力するとだけ伝えて具体的な人数を上げることを控えている大手メディアもある。それだけ不確実と言うことだろう。
実際に離党まで行く者がどれだけいるのか、次回総選挙に向けた代議士心理を知る資料として興味深い。
追記(2012/06/22 22:48)
輿石氏は相変わらず野田氏と小沢氏とを話し合わせる事に執着している。野田氏も小沢氏も、どちらも今更譲歩するのは不可能だ。譲歩が不可能である以上、両者が会談しても何らかの合意がなされることはあり得ない。
輿石氏は、この状況で自分の威信を示したいのかもしれないが、道化に見えて仕方がない。
追記(2012/06/23 21:21)
三大紙は造反組の人数の具体的な予想を出すことを今はまだ避けているようだが、時事通信が60名以上が造反との予測記事を出している。
いずれにしても、民主党幹部は少数与党になれば解散・総選挙と腹を括っているだろう。そうなれば小沢氏が新党を結成しても、「3バン」を持たない小沢チルドレンが大半では一桁政党になることはほぼ確実。従って、造反しても自分からは離党しない可能性は大いにある。造反後残っても冷遇されることが確実なので、追い詰められての破れかぶれかもしれない。
小沢新党に「カンバン」を替えることだけが希望ということか?
過去三回の「~でなければ何でも良い」選挙で毎回悪くなった日本の政治。はたして今回もメディアは「~でなければ何でも良い」を煽るのだろうか。そして喜んでそれに乗って踊ってきた愚かな有権者はどう動くのか。
別稿でも書いているが、民主主義政体での政治はその国の有権者の政治能力を反映する。有権者の水準以上には良くならないのだ。
追記(2012/06/25 22:03)
採決での造反者数を50前後と予測する報道が増えてきた。もっとも50でも60でも採決の結果には影響がないのだが。
最大の問題は造反者が裁決後離党するか否かなのだが、自発的に離党するものはごく少ないだろう。そもそも小沢氏自身が自発的には離党しない可能性があるからだ。造反者は数が多ければ除籍処分されないと踏んでいるのだろうが、野党は処分の検討が始まる前に内閣不信任案を出してくると思われる。それに対し造反者たちがどうでるのか。不信任案に賛成すれば直ちに解散総選挙になる。また、不信任案に賛成しなければ造反する主旨が立たない。そこまで考えているのかどうか疑問ではある。
造反者たちの多くを占める小沢チルドレンにとって、再選されるめどがない早期の総選挙が好ましくない事は歴然としている。主流派を追い込むことは自分自身を追い詰めることでもある。
追記(2012/06/26 16:30)
増税法案可決。造反者が予想より20人ほど多かったが、可決が事前に決まっていたので気楽にできたろう。正念場は参院可決後に予想される内閣不信任案だ。
早期の総選挙を望むのか、それとも避けたいのか。それによって行動が決まるだろう。定数改正法案の審議を拒否することで抵抗はできるが、それでは増税法案反対の主旨が立たない。
また9月総選挙になれば、原子力発電所は稼働継続になる可能性が大きい。選挙後止めるとすると停止は11月近くになるだろう。その場合、次の冬の電力不足に対応するのに再稼働が間に合わなくなる。
訂正(2012/06/26 19:00)
70人が造反したという記事を見て書いたのだが、その後の別の報道では約50人というものもある。
追記(2012/06/27 08:40)
どうやら造反者数は57人に落ち着いたようだ。小沢派単独にしては多く、小鳩派としては少ない感じがする。鳩山派同調者は10人程度と言うことか?
« AIJ事件;厳罰化で再発は防げるか? | Main | 地球の太陽面通過(短編SFの黄金時代) »
Comments