第3世代ステルス戦闘機;大量配備は中国が先か?
先日、中国が第3世代ステルス戦闘機を2018年から開始すると報じられていた。そうなると、大量実戦配備は米国よりも中国の方が先になるかもしれない。
なぜならば、米国版第3世代ステルス戦闘機F-35は2014年に実戦配備を軽視すると言われてはいるものの、本当にできる目処が立っていないからだ。その理由は複雑すぎる機体構造にある。
F-35は通常戦闘機のほかにSTOL型、地上攻撃機型など複数のタイプがあるにもかかわらず、その全てを同一の基本設計でまかなうことになっている。その為、あるタイプで生じた問題に対処するための変更を全てのタイプについて行わねばならず、これが対策の処理に要する時間を大きく引き延ばしている。また、その対策によって、本来対策が不要なタイプでも重量増をもたらし、性能低下やその対策が必要になるという現象も生じているようだ。
全機種の基本設計を共通にするというのは、それによって部品や取り扱い方を共通化すれば運用コストが下がるという目論見からだったようだが、それが現在では運用コスト減を遙かに上回る初期費用(機体価格)増加をもたらしている。
無思慮な共通化がプロジェクトの大失敗につながった前例は多いが、F-35もその代表例になりかねない状況なのだ。しかし、ここまで時間をかけた以上これを中止することはできない。なぜならばここでF-35計画を放棄すれば、さらに20年待つことになるからだ。
そうなれば米国空軍の攻撃力は決定的に遅れをとることになる。それはとうてい受け入れがたい。だから、米国は何が何でもF-35にしがみつかつかねばならないのだ。それがどれほど遅れようと、どれほどの費用がかかろうともだ。
その結果、F-35の大量実戦配備がいつなるのか全く目処が立たない。2020年以降にずれ込むことすら考えられているのだ。そうなれば、第3世代ステルス戦闘機の大量実戦配備は、中国が先になる可能性も出てきているのが現実だ。
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