時代劇のお約束
NHKの時代劇の視聴率の高低が相変わらずメディアを賑わせている。それだけ娯楽としての重みがあると言うことなのだろう。
ただ、大河ドラマを含めて最近の時代劇は「現代的なリアリティー」を出そうとしすぎるように感じる。そのため舞台となる時代の風俗などを、考証よりもプロデューサーイメージに合うよう変更することがよく見られる。さらに、その一方で、人気女性タレントのメークが、約年齢40歳を過ぎても現代の相当する年齢に合わせて若作りという不自然な例も目立つ。また、台詞も現代の若者言葉であったりする。どれも視聴者に違和感を持たせるには十分だ。
中若年層へ媚びて受けを狙うのも商業上やむを得ないと言うことかもしれないが、娯楽には娯楽のお約束がある。現代劇には現代劇の、時代劇には時代劇のお約束があるのだ。それを尊重しながら少しずつ新しい解釈を加えるべきだろう。それを軽視していることが時代劇不振の原因の一つではないかと考える。
テレビドラマはあくまで一般人向けの「娯楽」であり、特定の観客を対象とする「舞台劇」のように先進性を追求する「芸術」ではない。一般人を対象とする娯楽である以上、視聴者がくつろいで楽しめると言う点は重要なのだ。そのためには、「お約束」を軽視したり無視したりしてはいけない。
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