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April 20, 2012

太陽活動の異変

1990年代から、太陽活動がおかしいのではないかという報告がいくつも出されてきている。現在の黒点周期がこれまでと大きく異なることも確認されている。そして今日、太陽活動の異変がまた報告されたといくつかのメディアが報じている。

それは国立天文台などが太陽観測衛星「ひので」のデーターから発見したもので、太陽の北極周辺で磁場が消失しつつあるというものだ。詳細は元記事(国立天文台;太陽観測衛星「ひので」、太陽極域磁場の反転を捉えた)を参照してほしいが、通常は南北両極の磁場が同時に消失/反転するのに対し、今回は過去の記録から予測されていたよりも1年早く北極だけが消失し始めているのだという。

これまでにも、今回の黒点周期はこれまでに較べて太陽活動が著しく低調であることはいくつも報告されてきた。それは周期が長くなっている、極大期の黒点数が著しく少ない等だ。このため、今後、気候が寒冷化に向かうのではないと言う説(研究報告)がいくつか出されている。さらに1990年代には太陽からのニュートリノ放射が理論値に較べて著しく少ない(これには異論もある)ので、将来長期に亘り太陽活動が低下する可能性があると言う説も提唱された。

太陽活動が低調とは言っても、太陽が放射する熱エネルギーの減少はごくわずかなので、気候への影響はほとんど無いと言う意見もあり、地球への影響は定かではない。ただ、今回のような黒点周期の変調は歴史記録に残された小氷期とも呼ばれる寒冷期(代表的なものは17世紀後半のマウンダー極小期で、凍結したテムズ川でスケート遊びをしている銅版画などが残されている)にも起きていたと考えられているので、寒冷化に結びつけた報道がされているようだ。

科学では、単純化しなければ物事を取り扱えないので、研究対象を周辺の事象から切り離して独立したものと考えることが多い。これは「科学的方法」の限界で致し方がないのではあるが、今回の報告は中期気候変動の原因を地球内に限って考えていても良いのかと言う問題提起ではある。

同じ様に議論の対象を周辺事象から全く切り離してしまうことは、「科学的」な事柄以外にも多い。日本国内の社会問題を、完全に国外とは切り離し相互作用がないかのように議論する(「日本特別論」とも言う)ことが多いのもその一例だ。これは大いに反省しなければならない。

また、太陽活動が低調になるから温暖化対策は緩和しても良いと言うのも、心得違いと言うべきだろう。

太陽活動の変調については下記のサイトにある記事もご参考に。
1.NASA/Marshall Space Flight Center
    記事;The Sunspot Cycle
    記事;Solar Cycle Prediction
2.NASA/Solar and Heliospheric Observatory
3.PMDC WRC/VIRGO
4.国立天文台
    サイト;ひのでホームページ

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