金は天下の回り物
「金は天下の回り物」という言葉がある。これには、金という物は人から人へと移動していく物で、手元にとどめておくことが難しいと言う意味もある。しかし、この言葉はさらに重要な事を示唆している。
それは回らない金には意味がないと言うことだ。言い換えると、市中にいくら多くの金があってもそれが回らなければ経済が活気づかないと言うことだ。景気が悪いからと市中に資金を供給しても、それが回転する手段を講じなければ滞留するだけで物の役には立たない。日本を含めた政界経済の現状はまさにその状態にある。
これを打開するには起業(企業ではない)投資に資金が回り、勤労者の職と収入を増やす必要がある。それ無しでは、金融業に金がだぶつき、行く先がない金が投機に回るだけだ。そして、投機資金は群集心理で右往左往して経済を不安定にする。
そう言う意味で今の経済政策は根本的に間違っている。資金供給を拡大するよりも、投機収入に対する課税を強化し、逆に起業投資に対する税控除を拡大して優遇すべきなのだ。
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