世界不況は国頼りのつけ
世界同時不況でこの年は暮れる。
世界同時と言ってもその正体は西欧先進国同時ということで、途上国まで含めた世界全てというわけではない。従って、我が国は不況ではないと言う地域もあるだろう。
ところでこの不況の実体は「信用収縮」で、その原因は多くの先進国の国家財政を賄うための国債乱発にある。それはまた、景気対策・福祉など、何から何までを国家資金に求め、不足する収入は国債で賄えばよいとする無定見な国家資金依存症のもたらしたものでもある。
たとえば、景気が悪くなれば「国家の財政出動による景気刺激策」を求め、「資金が不足ならば国債を増発せよ」となる。民間企業も地方自治体も個々の国民も同じだ。そして国債が借金であり、借金は返さなければならないことは考えない。せいぜい「景気が良くなれば税収が増えるから返せる」と主張する程度だ。しかし実際には、税収が増えるとそれはまた他の支出に回され、借金の返済には回されない。こうして借金は増えるばかりだ。
そして、ある日突然運転資金不足に直面する。これが今回の「国家の信用不安」の原因であり正体だ。
日本では「国家の倒産」など考えもしないものが多い。また、社会保障等の積立金や特別会計の積立金等、引き当て先が決まっているものや、本来民間に帰属するものまで含めて金融資産がたっぷりあるから問題がないと主張する経済財政専門家もいる。しかし、本来の引き当て先と異なる用途に使うことを考えること自体が不適切だ。
そして国債が増えれば増えるほど、返済(償却)が送れれば送れるほど後代の返済負担は重くなる。国債増発論者はそのことを故意に無視している様に思える。
国家財政改善のため、そして国債縮減のために、いつまでも国頼り税金頼りを続けずに、地方自治体や民間企業が自分たちの創意工夫で不況を耐えて行くことが、今求められている。
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