時代の正義
NHKの連続ドラマ「カーネーション」に勇ましいオバサン達が登場している。
横目で見ているだけなので詳細は知らないが、あの時代の世論を代表し導く存在とされていた大政翼賛会か国防婦人会のメンバーなのだろう。ドラマ中で、彼女らは独善的に良いことを押しつけようとする、お節介でお先棒担ぎの愚かな人たちとして戯画的に表現されている。しかしそれは現在の視点ではそう言えるだけで、あの時代には彼女たちの主張が国家的正義で、主人公達の行動は私利私欲に基づく悪徳だったのだ。
時代が変われば、そして国家が変われば何が正義であるかは変わってしまう。正義にのっとった行為が愚行となり、悪徳が賢明な行為となることは少なくない。
今この時代の正義が後の世で愚行と言われないか、我々はじっくりとそして冷静に考えなければならない。少なくとも、時代の主流に乗り遅れまいとしたり、メディアの煽動にのせられたりすることだけは避けねばならない。まさにドラマのあの時代、人々はメディアの煽動にのせられ、時代の主流に先を争って乗ろうとしていたのだから。
いつの時代も、「お先棒担ぎ」や「尻馬乗り」は少なくない。そして、その者達の行動を是認し賞賛するメディアが国を誤らせ滅ぼす。
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