プロダクトアウト、またはシーズ先行
デジタル化特需が終わって、日本の家電メーカーが売り上げ低下に苦しんでいるという。
しかし、私はその話を聞く度に不思議で仕方がない。何年も前からこの夏に特需が終わり売り上げが減少するのはわかりきっていたはずだ。にもかかわらず、それに対するなんの準備もしていなかったとすれば経営者として失格だ。
特需が終わったあと、人や設備などの経営資源をいかに振り替えるかの構想を持たず、売り上げが減ったから人員整理だ、事業撤退だというのは経営陣が無能だからだと言うべきだ。
このような現状に対し、テレビ部門の関係者は4kテレビに期待しているという。しかし、このところテレビの新事業は3Dに象徴されるように失敗続きだ。
それはなぜか?答えははっきりしている。端的に言えば、市場が求めていない、あるいはまだ市場が熟していないのに、技術的に可能だからと言うプロダクトアウト(シーズ先行)の考え方で、売り出しさえすれば市場ができると甘い期待を持って事業を始めたからだ。
存在しない市場に、無理矢理押し込もうという製品は決して成功しない。新製品を出し続けることで何とか生き延びてきたのが日本の家電メーカーだが、いつでもそれが成功するわけではない。経営者はそのことを悟るべきだ。
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