老朽化が早い日本の近代建築;高層マンションの設計寿命は何年?
先日、某所の公設美術館で借用していた展示物が水滴で汚損した事件があった。
その原因は築後35年の建物の老朽化だと言う。明治時代に建てられた建造物で、現在もびくともしないものがある一方で、戦後の高度経済成長期以降に建てられた近代建築は老朽化が早いものが多いように思う。かつて名建築とたたえられた大手町の旧都庁ビルもすでにないし、老朽化したとして取り壊されたり取り壊しが計画されている有名建築も少なくない。
戦前の建築は寿命がないものとして計画されたものが多いが、戦後の建築は寿命が数十年として計画されたのかもしれない。しかし公共建築としては、あまりにも老朽化が早すぎるように思う。これも大量消費が良いとされ、長く使うことは旧弊な考えだとされた高度経済成長時代の精神を反映しているのだろうか。
そんなことを考えているうちに、最近はやりの超高層マンションはどれくらいの寿命を想定して計画されているのだろうかと気になり始めた。まさか法定耐用年数の47年で老朽化して居住できなくなる計画ではないとは思うが。
50年後の日本の大都市に、老朽化して使用できなくなった高層建築物が林立していると言う光景を想像するとぞっとする。
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