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October 11, 2011

マクロ撮影用LED光源

LP用ターンテーブルの回転数調整に使用する、ストロボスコープ用光源の制作に味を占めて、今度はマクロ撮影用のLED光源に挑戦中。

と言っても電気面で難しいことは何もない。知恵を絞らなくてはならないのは、LEDをカメラに取り付ける方法と、その為の細工だ。

今回は簡単な方法として、ケンコー製の「Self Sunshade Pro」という、マクロ撮影時に日光を遮ったりレフ板を固定するための器具が手元にあるので、これを利用することにした。あとは購入した3W白色LED(OptoSupply製OSW4XME3C1S 3.3V駆動)を、ポリカーボネート製ビスでアルミのアングル材に固定し、単3電池2個で点灯するだけだ。

LEDを組み付けた状態。
あとは電池ボックスにつなぐだけ。

このLEDはヒートシンク付きだが、念のためアルミアングルとの間にはパソコン用の伝熱グリースを塗ってある。

CANNON PowerShot SX30ISに取り付けて点灯した状態。本来フルサイズ一眼レフ用の器具なので、SX30ISには長すぎる。

同じくケンコーから発売されている「ゴリラポッド」(注)を逆さまにして使うと、一度に3方向から照射できてよいかもしれない。(ただし逆に取り付けるためには若干細工がいる。)

実際に点灯してみると、公称では色温度が6500Kとなっているのだがかなり緑味が強い。ホワイトバランスを晴天や曇天にして撮影してみると、やはり緑色が強くかぶる。蛍光灯にするとかなりましになるが、今度は紫色が過剰気味。やはり、もっと厳密に色調が管理されたLEDを使わなくてはいけないようだ。

上はホワイトバランスを「くもり」に、下は「昼光色蛍光灯」にセットして撮影したもの。バランスセッターがあればそれで調節すればよいのだろうが、手持ちがないのでテストはできなかった。

半値角が120度なので照射範囲は広い。これ一個では揺れ動く対象には光量が不足なので、3個ほど並べると良さそうだ。

追記(2011/10/13);悪のりしてRGBLED(OSTCXBC1C1S 3W)でも作ってみたのが下の写真。ボリュームを付けて色合いを変えられるようにした。各色を弱く発光させている。

標準駆動電圧がR;2.5V(許容範囲;2~3V)、G,B;3.3V(同;3~4V)であるため、使用した電気部品は可変抵抗とトグルスイッチしかない。ボリューム等を取り付けた基板が変な形をしているのは、以前に室内装飾品を作ったアクリル板の残りを使ったため。

下の写真がこれを用いて撮影したもの。各色の単独発光と、3色同時発光(各色の強度は適当に調節した)。

このLED一個では明らかに光量不足なので、実用的には5個程必要だろう。このLEDは3色の正負の端子が全て独立しているので、直列にしてまとめて制御できる。ただし、必要な電源電圧が数に比例して高くなり、電池の数が増えるのが悩ましいところ。

追記(2011/10/20);
日亜化学の技術資料を見ているうちに、白色LEDの色が電流量によって変化するという記述を見つけた。それによると、電流が増加するにつれて緑味から紫味に色相が変化するという(下表参照)。このため、日亜化学は輝度調整にはPWMによる定電流駆動を推奨している。

前記のOSW4XME3C1Sの発光色の緑味が強いというのは、これが関連しているかもしれないと考えた。理由は、3.3V駆動が標準であるところを単3電池2本で駆動しているからだ。

そこで手持ちのテスターで電圧を測ってみると3.15Vあった。しかし単3電池では十分な電流(標準は700mA)が供給できていない可能性もあると考えて、単3電池2本ずつの並列にしてみたが、色調にはほとんど変化がなかった。さらに、3.3V,1.2AのACアダプターでも同様だった。

電流計が手元にないので断言はできないが、やはりメーカー毎、個体毎の差異があるのだろう。

下表は、日亜化学の技術資料に例示されている電流量による光源色の変化例を灰色に置き換えて表現したもの。

1mA

5mA

20mA

50mA

100mA

x=0.312

y=0.335

x=0.311

y=0.329

x=0.310

y=0.320

x=0.307

y=0.311

x=0.304

y=0.302

ただし、三刺激値X,Y,ZをR,G,Bに置き換え、x=R/(R+G+B),y=G/(R+G+B),R+G+B=510として計算している(注)。x,yの数値は、日亜化学の資料中のグラフから読み取った。

これは完全に平坦な反射率曲線を持つニュートラルグレイを、赤,緑,青の三原色が目に与える刺激の合計が一定になる様に各照明光で照らした場合の見え方(色順応無し)を近似的に表している。しかし、XとR,YとG,ZとBの各成分の基準となる色座標がそれぞれ少しずつ異なる(表示装置に依存する)ので、厳密には正しくない。

(注)本来は、x=X/(X+Y+Z),y=Y/(X+Y+Z),x+y+z=1,である。

追記(2011/11/10);
シャープのLED技術資料(秋月電子のサイトにも別の資料があるが原位置は不明)を読んでいて、発光色が素子の温度と関連しているとの記述があるのを見つけた。これによると低温では緑味で高温になると紫味になるという。電流を増やせば当然素子の温度は上がるのだが、色調変化の主役は電流量なのかあるいはそれに依存して上昇する温度なのだろうか。

下表はシャープの資料による色度変化の例。3W/6500Kタイプで電流を一定(350mA)とした場合の素子温度による光源色の変化を示している。

0℃

25℃

40℃

60℃

90℃


追記(注)(2011/11/15);
最近は「ゴリラポッド」の他にも数社から同じ様な物が発売されているようだ。「コンパクトデジカメ用三脚」でネット検索するとすぐに見つかる。

これらは皆フレキシブルチューブではなく、プラスティック製の関節状ジョイントがつながった構造をしている。このためフレキシブルチューブを使った物に比較して振動の収まりが早く、ライトの支柱には適している。ただし、フレキシブルチューブは内部に電線を通すことができるが、これらの三脚では内部に通せないので見た目は悪くなる。

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