言葉のTPO
古い話になるが、VANジャケットの石津健介氏が「TPO」という言葉を提唱したことがある。これは時(time)と場所(place)と場合(occasion)に合わせた服装をしなければならないという意味で、「TPO」自体は和製英語である。
これに結びつけて何を言いたいかというと、世の中のあらゆる場所で「言葉のTPO」を考えない人が多すぎると言うことだ。どの言語でも同じだろうが、目下の者に対して使っても良いが同格や目上に対しては使ってはいけない言葉がある。また、くだけた席ではよいが改まった席ではたとえ同格の相手に対しても使ってはならない言葉もある。このように言葉は状況に応じて使い分けねばならない。
しかし昨今、至る所で状況をわきまえない言葉の使い方が氾濫している。最近もさる政治家の「ノーズロ」発言が話題になったが、これも状況をわきまえない言葉の使い方の一例だ。また、若者が職場で同僚や上司に対して仲間内の言葉を平気で使う例も多いようだ。このような風潮の責任の一端はマスメディアにもあると思うが、中等教育での教育や家庭でのしつけが無くなったことも大きな要因だろう。
それにしても、女性の下穿きを「ズロース」と呼んだのは昭和30年代の中頃までだったと思う。良くもまあ「ノーズロ」が通じたものだ。50歳代半ばより若い人には意味不明の宇宙人語だったのでは?
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