災害支援用装備
以前から何回か書いてきたことだが、日本の災害時の緊急支援用装備には足りない点が多い。
その一つは、緊急支援用の資材や装備を運搬する能力が低いと言うことだ。春の大津波災害でも、その後何度か発生した水害でも、建機などによる支援を必要としているが地上からは短日時では到達できない場所が多数発生した。食料などの輸送や孤立者の救出には、現在各地域や自衛隊が保有しているヘリコプターでも十分な能力があるが、建設用重機などを空輸できる物は無い。
このような現状を見るに付け、是非とも重量物運搬用の大型輸送ヘリコプターが必要だ。特に、自衛隊の保有する大型ヘリコプター(CH-47;最大吊り上げ重量は11ton)より輸送能力が高い物を何機か保有すべきだ。現在、このような重量物運搬用として15~20tonを輸送できる機種があり(別記事1参照)、森林火災消火用や緊急空輸用として運用している国がいくつかある。これは大いに参考になるはずだ。
さらに、このような機種の輸送能力に合わせてコンテナーに収め、緊急支援用パッケージ(別記事2参照)として準備しておくのがよい。物資だけでなく、医療設備、飲料水製造設備、発電設備その他災害地で必要とされる物を自立活動できるパッケージとしておくのだ。
これを、国内であれば直接空輸したり、近隣地までトレーラーで陸送した後に空輸するなどすれば良い。その目的には、一般道路で陸送可能な最大のサイズとしてマリンコンテナーの規格が参考になるだろう。そうすれば、民間のコンテナー用トレーラーも利用できる。海外の災害にはヘリコプターとコンテナーをまとめて輸送すれば素早い展開が可能だ。トレーラーが必要な場合にも現地で調達できる。
そして、このような装備をどの組織が保有・運用するかだが、まず自衛隊が考えられるが、森林火災消火にも活用することを考えれば、消防庁に消火用飛行艇とともに運用させるのもよいだろう。さらには、災害時の出動を一元的に管理する、災害対策庁(別記事1参照)とでも言えるような組織を新設して、そこが保有・運用しても良い。
別記事1;災害対策庁
別記事2;災害救援キット
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