美術展とブルネット美人
昨日(2011/09/27)京都市美術館まで展覧会を見に出かけた。ちょうど「フェルメールからのラブレター」、「ワシントン・ナショナルギャラリー展」そして「院展」の3つが開かれているので、全部を見るつもりで出かけただ、二つを見終わったところで腰の痛みがひどくなったので「院展」は断念した。
人気の高い「フェルメールからのラブレター」はさすがに行列ができていたが、1時間弱で入場できた。ネーデルランド派の手紙がらみの肖像画が中心だが、この時代の特徴である端正な絵は静かに見るのに最適だ。
のんびりと見て回っているうちに、フェルメールのいくつかの絵に同じ上着が出てきていることに気がついた。それは襟と袖口に白てんの毛皮がついた淡い黄色のものだ。最初は、まるで王族が着るような豪華なものだから、これを着ているモデルは大富豪の娘かと思って眺めていたのだが、その後さらに数点あることに気がついた。モデルは全て同じ人物に見えるので、あるいは画家の家族(娘)だろうか。別の見方をすれば、このような豪華な衣装を裕福な市民が着ることができる、当時のオランダがいかに豊かだったかを示していると言える。
「ワシントン・ナショナルギャラリー展」はこれとは対照的に印象派を中心とした展示で、これもまたのんびりと眺めるには絶好だった。「フェルメール・・」に較べるとすいていたので、マネのどことなくかっちりとした絵も、ルノワールやモネの柔らかい色彩の絵もじっくりと楽しむことができた。著名な絵もいくつか含まれているので、こちらも是非見るべきだ。
最後に現代日本画の新作が見られる「院展」もと思っていたのだが、「ワシントン・・」の終盤から腰の痛みがひどくなってきたので断念した。
2展を見終わって外に出ると目の前を西欧人のカップルが通り過ぎていった。何気なく目をやったのだが、その一方のやや小柄な女性の髪の色に驚いた。まだ高い日の光を浴びて青黒く輝いていたのだ。これまでにも漆黒の髪の西欧人には何度も出会っているが、青く輝く髪ははじめてだ。まさにカラスの濡れ羽色。あるいはこれが本当の「ブルネット」なのかもしれない。
高校の同級生の一人に、日なたで見ると良質の木炭のような暗銀灰色に輝く髪の持ち主がいたが、日本人にはこのように青く輝く髪の持ち主はいないのだろうか。
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