余震域の移動についての考察
この2~3日、余震が多発している。震源も、福島県南部の内陸に多く震度が浅いので、プレート境界面の断層からプレート内の断層によるものが増えていると思われる。
これに関して、プレートが引き延ばされる形との分析が出ているが、次のような仕組みによるものだろう。
プレートは硬い岩石でできているが剛体ではなく、圧力によって変形する弾性体、さらには長時間の圧力によって永久的に変形する粘弾性体の性質を持っている。このため、プレート境界面とそこから離れたところでは変形の大きさが異なる。また、圧力が無くなったときに元に戻る弾性変形と、圧力が無くなっても変形が残る流動変形の割合も異なる。
このような性質を持つプレートが長時間圧縮された後に急に圧力が取り除かれると、場所によって元の形への戻り方が異なる。境界面では圧縮速度が速いので弾性変形の割合が大きく急激に伸びるが、離れた部位では流動変形の割合が相対的に大きいので伸び率が小さい。この違いがプレート内部での力のバランスを崩し、プレート上層部が境界部の伸びによって引き延ばされる形で正断層による地震が起きるのだろう。
このような様子は、光学式歪み検査装置や粘弾性試験装置があれば再現できると思うのだがどうだろう。さらには、日本列島とその周辺のプレート構造の模型を作って実験すれば、今後地震が多発する可能性がある場所を推定できるかもしれない。もちろんコンピュータシミュレーションでも可能だろうが。
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