防災と緊急時の対応(2);最悪を想定して最善を目指せ
防潮堤と言えば有名な「田老町の防潮堤」がある。これは10mの高さがあるが、今回の津波では持ちこたえられなかったかもしれない。
しかし、これを超える高さの、今回の津波を食い止められる防潮堤を全国の海岸に張り巡らすのはとうてい無理だ。やはり避難場所の確保と、避難の時間を稼ぐ何段構えものシステムを考えなければならない。
たとえば、海岸には100年に一度の津波を想定した防潮堤を作り、その内側にはこれを越えた水を一時的に食い止める防壁を数列作り、さらに奥への避難の時間を稼ぐ。そして、後列の防壁の上や背後に避難デッキを作る。
その他にもいろいろな手段があるだろうが、要は最悪を想定して最善を目指すことで、そのために経済的にも最善の手法を組み合わせると言うことだ。
今回の津波は千年に一度の規模だという。それならば一万年に一度の津波はどんなものになるのか?ハワイには標高100mにまで駆け上がった津波の痕があるという。そんなものに対抗する防潮堤を作るのは現実的ではない。それならばどうするのか?あきらめて死んでくれと言うのか、少しでも助かるチャンスを増やそうとするのか。
それはそこに住む住民が決めることではあるが、莫大な資金が必要なことなので沿岸部以外に住む人々の合意も必要だ。
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