ホログラム方式立体テレビ
先の記事で、カラーフィルター不要の液晶テレビについて書いたが、同じ考え方でホログラム方式のフルカラー立体テレビが実現できそうに思う。
モノクロ液晶と三原色の半導体レーザーを使用する方法だ。高精細の液晶スクリーンに立体画像に応じた各色のホログラムを順次表示し、それに同期して各色のレーザー光を照射する。これによりフルカラーの立体像を表示できるはずだ。
放送局から送信するデータについては幾つか考えられるが、一番簡単な物としてはホログラムのドットデータを送信する方法かも知れない。ドット数が多いが何らかの手法で圧縮すればよい。他の方法としては、立体像の何らかの形でモデル化してデータ量を圧縮することもあり得ると思う。
画面内の全域で先鋭な画像を作ろうとせずに、現在の光学式カメラのように合焦範囲以外はぼかすことによっても、データ量は圧縮できるだろう。むしろその方が映像の芸術性という点では好ましいかもしれない。また、3Dモデルを使ったCGアニメーションは目が疲れやすく感じるが、前景や背景をぼかすことによってそれを改善できるかも知れない。
見る角度が限定される平面ディスプレイを想定すれば、3眼もしくは4眼のカメラで撮影し、それから演算によってホログラムデータを作成して放送すると言うやり方がある(受信機側で画面サイズに応じた補間が必要かも知れないが)。
SFに出てくるような全方位から見ることのできるディスプレイになると、また別の方法が必要になるが、この場合はディスプレイよりも撮影装置の方が難しいかも知れない。その前に、画像を外側から見るのか、全周(360°)映画のように内側から見るのかという問題もあるのだがこれは用途によりけりか・・・。
しかし、全周3D映画のような状況を想像すると、映像の作り方は全く変わってしまうだろう。今の平面ディスプレイとは違い、やたらにパンや視点移動をされると酔って気分が悪くなりそうだ。映像制作の制約は今より多くなるかも知れない。
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