拡散し泥沼化するイスラム圏の脱独裁
イスラム圏での脱独裁政治運動は拡散する一方で混迷を深めている。
イスラエル支援の為には、なんとしても後継に親米でイスラエルに敵対しない政権を樹立したいと焦る米国の思惑をよそに、次第にイスラム同胞団などのイスラム教勢力が影響力を強め始めている。このまま時間が経てばイスラム教勢力が政権を支配するようになりかねない。
そうなれば、パレスチナへの支援を妨害するための障壁が崩壊し、イスラエルはさらに暴走するだろう。これは第4次中東戦争につながりかねない。
それを回避するため、米国は独裁政権に様々な便宜を与えて親米化と延命を図ってきたのだが、その戦略が崩れ始めている。親米的後継政権樹立を焦って行動を誤れば、反米政権成立の決定的な後押しになりかねない。そして、エジプトで親米後継政権への移行が失敗すれば、これは周辺の独裁国や王族支配国へと拡散し連鎖的崩壊を引き起こす危険がある。現実に、イエメンのほか、ヨルダン、シリアなどで政権が不安定化し始めている。
それはさらに、イラクやアフガニスタンにも波及するだろう。米国は今まさに外交上の危機に直面している。
これはまた、日本にとって石油資源調達に困難を引き起こすことにつながる。外務当局は、公判で詳細な情報収集と、入念で偏見や予断の無い分析、そして政府への外交方針の提案を行わなければならない。米国とイスラム国家との板挟みは、日本経済に重篤な悪影響を及ぼすので絶対に避けなければならないからだ。
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