米国の媚び外交
米国がエジプトの反政府勢力と軍部にしきりに秋波を送っている。
元々米国は、親米であると表明する政権に対しては、その体制に関わりなく支持し便宜を図る傾向が強い。冷戦時代に反米を標榜したものの、ソ連の崩壊で後ろ盾を失った独裁政権であっても、親米に舵を切り替えるとすぐにそれらを支持し、独裁者とその取り巻きに対して様々な利益を供与してきたのが良い例だ。
その代わり、それらの政権に対立する勢力に対しては、反米勢力、テロ勢力と決めつけ、体制側がこれらを弾圧する手助けをしてきた。さらに、キリスト教国家を標榜する勢力が多い米国は、非キリスト教勢力に対しては頭から反米と決めつけ、体制側に弾圧を要求するようなこともしてきた。
しかし、国民の反発で体制がぐらつき始めるとすぐに見捨て、次の親米政権樹立に向けて反体制派に媚びを売り、体制打倒に協力するのも米国外交の特質だ。しかし、後継勢力の抱き込みに失敗し反米政権ができてしまうことも少なくない。それにもかかわらず、米国は同じ事を繰り返している。今回もまた同じだ。
下手をすれば反米イスラム教国家樹立の連鎖が起きかねない。にもかかわらず反省をしないのが米国だ。まだまだ親米を表明する勢力への媚び売り外交を続け、同じ失敗を繰り返すのだろう。
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