成田と関空
日経Webが、成田空港が着陸料を最大50%まで値引くすることを決めたと報じている。目的が羽田、そして近隣アジアの大空港に対抗するためであることは言うまでもない。国家による保護にあぐらをかいていた姿勢が転換されると言う意味でも、これは好ましい。また、羽田と連携してより多くの都市との航空路線が開かれることは、経済ハブとしての東京の復権によい影響を与えるだろう。
これに対し、関西空港の動きは比較できないほど悪い。知事と共に国に支援と伊丹の閉鎖を要請するばかりで、前向きの活動が極めて少ない。着陸料の値引きも名前ばかりで渋々と行っているという印象だ。まして知事が「大阪には新幹線さえあればよい」と言うようでは、大阪経済の地盤沈下は進むばかりだ。
都市の活力を支えるには、多くの都市との良好なアクセスが必要だ。企業が拠点の立地に当たって、もっとも重視する要素の一つだ。そのアクセスを悪くする事で関空振興を図ろうというのでは本末転倒だ。都市の活力がさらに低下して、空港の利用もさらに減少する。それを乗り越えるためには、当面損をしてでも将来の利益を狙う大阪商人の伝統、「損して得取れ」の精神が必要だ。大阪府自ら着陸表引き下げを指導し、必要であれば自ら支援を行う。財政破綻に直面している国に期待しても無駄だ。そして路線拡大と企業誘致のためのトップセールスも行う。それなくして大阪の復権はない。
橋下氏も「権力が欲しい」、「国がしてくれない」などと子供の様な我が儘を言っているときではない。大阪復権のため、自らトップセールスに動くべし。
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