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November 25, 2010

Canon PowerShot SX 30 IS

注文していた Canon PowerShot SX 30 IS が届いたので早速使って見た。

形状は手になじみやすく、ファインダーがあるので望遠側にしても構えやすい。操作も今まで使ってきたIXY Digital 210 IS とほとんど同じなのでまごつくことはなかった。

撮影した画像の例はこちら(SX 30IS の画像例)も参照。

2010/12/10 時点での結論;

1.このクラスのカメラは、基本的にはポケットデジカメにデジタルビデオカメラ用の高倍ズームレンズを組み合わせた物と考えると良いようだ。周辺部の収差の出具合などはビデオカメラ同等で、画質はズーム範囲の狭いポケットデジカメに比較するとかなり劣る。
言い換えると、このカメラではレンズの解像度に較べて1,400ピクセルは画素数過多と言っても良い。従って、高倍ズームの機動性を生かした分野で使うべきで、高画質を求める分野には向かない。これは他社の高倍ズームカメラでも同じだろう。

2.反面、ポケットデジカメに対する利点としては、やはり長焦点や超広角が使える事にある。広角端の24mm相当はかなり遊べるし、望遠端の840mm相当は手ぶれ防止も効いていて威力がある。この為、手軽に持ち歩きたい場合に交換レンズを持ち歩かなくて済むのは助かる。
逆に交換レンズを持ち歩けるが、カメラ本体は小さく軽い物がよいと言う状況では、画質とレンズの軽さの2点で4/3タイプが良いだろう。

3.電子式だが、ビューファインダーがあるのでしっかり構えることができるのはメリット。構えたときの手へのなじみも良い。ただし、像が小さいのでピントの確認は難しい。フレーミングしっかり決めるための物と割り切るべきだろう。

4.手動フォーカスが可能なので、オートで焦点が合いにくいときには便利。ただし、ダイヤル式で調整に時間がかかるので三脚使用がおすすめ。

5.また、ポケットデジカメにはまれな手動絞りが使えるのも、状況への対応性という点でのメリットだ。特に、マクロ撮影で焦点深度の調節ができるのはありがたい。欲を言うともう少し絞り込めるとなお良い。

6.画質以外の最大の不満は、ほんの僅かの違いで52mmΦのフィルターが使えないこと。別売りのフィルターアダプターを利用すれば67mmΦのフィルターが使えるが、67mmΦになると52mmΦに較べて価格が大幅に高い(約1.5倍)のが困る。

なお、52mmΦのフィルターは1/8回転ぐらい差し込むことが出来、この状態で落下はしない。ただし、無理に回すとネジを潰したり鏡筒を割ったりする可能性があるので、お薦めはできない。このことから考えると、ネジが合わないのは径ではなくピッチかも知れないが、そうだとするとますます合わないようにしてある理由が理解できない。

訂正;老眼でよく分からなかったが、鏡筒の先端はネジではなく4~5段になったただの溝だった。これではネジが入るわけがない。レンズキャップが落ちないための溝だろうが、これでますます52mmΦのフィルターが使えないようにしている理由が分からなくなった。

7.レンズフードが別売りだが、これは標準添付にして欲しい。また、レンズフードとフィルターアダプターは同時使用ができない。

8.SX 30IS は、撮像素子がポケットデジカメと同じ1/2.3なのでやはり白飛びが出やすい。同じクラスでも撮像素子が大きい商品もあるので、白飛びが軽い物が欲しい場合はそちらを選ぶと良いだろう。

キャノンでの例;PowerShot S95、G12 どちらも撮像素子が1/1.7と大きい。

これらは、画素数やズーム比は少ないが画質は良いと思われる。
最近の傾向として、あえて画素数は少なめにして画質向上を狙うものが増え始めたように思える。パソコン上で利用したり、Lや2Lサイズ程度のプリントしかしないのであれば、画素数は7Mピクセル程度でも十分だからだ。

9.SX 30ISは撮像素子がCCDであるため、画面内に強い光点があるとモニターにスミアが出る。フレーミングの工夫で光点を隠せば良いのだが、構図は制約される。これが嫌な人は撮像素子がCMOSの機種を選ぶ方が良い。

と言うわけで、このところ SX 30IS と IXY 210IS の両方を持ち歩いて、収差が目立たない状況や撮影テクニックを研究している。


以下は当初の評価文

追記(2010/11/25);

現時点で気がついた点は、

1.ワイド側で強い色収差が出る。ただしこれが共通の問題なのか、この個体の不具合なのかは今のところ不明。メーカーに問い合わせる予定。(注;追記参照)

色収差の状況(ワイド端、撮影モード;AUTO)
内側が赤、外側が青に縁取られる
4820×3240 を 480×360 に縮小。ただし右上は1/1


2.レンズの口径はほぼ51mm+だが、52mmのフィルターとは試してみたが合わない。ほんの僅かな寸法差なのだが、別売りのフィルターアダプターを使わなければならない。また、フィルターアダプターと合うサイズは67mmで、52mmのフィルターに較べると価格が大幅に高い。特に私が使いたいCPLやL41などは高価なので財布にいたい。ほんの僅かな差は何とかならなかったのだろうか。

訂正;レンズの鏡胴先端は、ネジではなく平行の溝が切ってあるだけだった。これではフィルターがねじ込めるはずがない。径はほぼ52mmなので、ネジにすればよいと思うのだがなぜだろう。時に、ネジにすればフードとフィルターの両方を同時に使用できるのにと疑問を感ずる。

3.レンズフードが別売りだが、これは標準添付すべきだ。ただし、レンズフードとフィルターアダプターの同時使用ができないのも問題だ。

4.画像取り込みなどのソフトウエアが、今まで使っていた IXY Digital 210 IS 用のものでは PowerShot SX 30 IS を認識しなかった。ただし PowerShot SX 30 IS 用のソフトウエアでは IXY Digital 210 IS も認識してくれる。これは特に問題とするほどのことではないが、念のため一応あげておく。

追記(2010/11/26);
1.色収差はワイド端だけではなく、全域で出ている。まだ断言はできないが、上側が赤または黄味に、下側が青または緑味になっているようだ。画像中心部ではあまり目に付かないが、周辺部で強くなる。特にワイド側での周辺部ではひどい状態だ。

2.カメラから画像を取り込むソフトだが、複数のカメラがある場合にフォルダーの振り分けができると便利。以前の「Camera window」は、起動するといきなり取り込み開始画面になったが、今回は指示後に取り込むので開始前に設定を変えるのは可能。ただし、毎回取り込み先を変更するのは面倒だし忘れることも多い。カメラの識別は自動で行っているので、振り分け可能にはできないだろうか。

3.35倍ズームの840mm相当は、近づけない花や木の実の撮影にはさすがに威力を発揮する。手ぶれ防止も強力で、明るい被写体は手持ち撮影が可能。ただし、構図を確実に決めるには三脚使用がおすすめ。望遠側をよく使う人は、手軽に持ち歩けるミニ三脚があると良さそうだ。ケンコーが売っている「Joby gorillapod(ゴリラポッド) 」では重量過大になるようだが、兄貴分の「Joby gorillapod SLR(ゴリラポッド エスエルアール) 」なら使えそうだ。

上/ワイド端(24mm)  下/望遠端(840mm)
下の画像の原寸では、約2.2km離れた岸壁付近の木の葉が識別できる。

摩耶山山麓から撮影した大阪市内の高層ビル群(望遠端)。
中央は弁天町周辺で、左よりに大阪ドームが見える。
ファインダーを使用しての手持ち撮影だが、
これで目立った手ぶれがないのは驚き。


4.一番期待したマクロ時のマニュアルフォーカスは、予想通り手持ちでは難しい。やはり三脚使用が原則のようだ。フォーカシングレールがあれば、カメラの焦点を固定して、前後移動で焦点あわせをする方が確実で手っ取り早い。このクラスのカメラで、フォーカシングレールを使うか?と言うバランスの悪さはあるが。

追記(2010/11/27);

1.色収差の問題は別記事でメーカーと情報交換中。

2.一番気になる点の一つ、花の青紫の発色は初冬になって適当な被写体が見あたらない。見つかればチェックする予定。

神戸港で撮影した「ゆりかもめ」。35倍ズームはこのような被写体には強力。ただし、「ゆりかもめ」の頭の周辺などに見られるように、色収差が強く出て画像の先鋭度は良くない。これは初期不良だと思うので、購入した上新Web、キャノンと交渉しているのだが手数料などが必要な修理依頼をせよというばかりでらちがあかない。

このような長焦点で撮影する場合、手首を何かの上に置いて固定すると構図が決めやすい。この例でも、岸壁の手すりを利用した。

追記(2010/11/28);
1.色収差以外にも不具合を発見した。マクロモードで、表示される合焦可能範囲内でもオートではワイド端以外ピントが合わない。
訂正;これは合焦可能範囲の読み方を間違えた私の勘違いなので取り消し。ワイド端から少しでも動かすと、合焦範囲が30cm~50cmになっていた。コンベンショナルなマクロズームレンズに較べると使い方が制限されるようだ。なお、IXY DIGITAL 210 ISでは多少望遠側に動かしても合焦する。

これらより初期製品不良と判断して、正常品との交換を求めることにした。
(レンズの色収差の問題から、交換はやはり要求する。)

2.青紫の色調については、やはりブルーに化けて色が明るくなる範囲がある。青紫のシネラリアを見つけたので撮影してみたが青になった。

ホワイトバランス設定と青紫の発色変化
左から自動、晴天、曇天
このあたりの色は、元の色のほんの僅かの違いで発色性が大きく変化する。
またメタメリズムが強い色相領域なので、肉眼で見た色の方も
光源色の違いで大きく変化する。この為、目で見た色の再現が難しい。

基本的に、フィルターの透過率特性が肉眼の感度特性に一致していないことによるので、特性の良いフィルター用色素が開発されない限り致し方ないのだろう。
昔、CCD用色分解フィルター色素の開発に関わっていたことがあるが、三原色系用のブルー色素は透過率特性の良いものが無く特に難物だった。

追記(2010/12/01);
コンパクトデジタルカメラとしては悪くないと思う。ズームの速度が遅いなど、物足りない点もあるが、手ぶれ防止も強力だ。発色も、昔のコダクロームのように派手だが、デジタルカメラとしては平均的なものだろう。ポケデジよりはズーム範囲が広く、機動性の良いカメラを求める人には悪くないと思う。
しかし、販売店の上新Webとキャノンの対応は、初期不良としては最悪。送料負担で修理に出せと言う。こんなにひどいのは経験したことがない。

追記(2010/12/01)/2;
いろいろやりとりした結論として、キャノンの技術部門の見解では、この程度の収差はこのカメラでは正常だそうだ。と言うわけで、残念ながら画質が気になる皆さんにはこの製品はお勧めできないと言う結論になってしまった。ポケデジ程度の画質はクリアすると思ったのが間違いだったようだ。
上新Webの方は問い合わせに対してなしのつぶてだ。もう買わないぞ(苦笑)。

追記(2010/12/02);
上新Webから代品と交換するとの連絡が来た。果たして画質に違いがあるのか、キャノンの主張のように同程度なのか、追って報告する。

追記(2010/12/07);
代品が届いたのでテストを再開した。

イメージセンサーがポケデジサイズなので、やはり白飛びしやすい。白が多い場合には露出をエリア測光で-1EV程度減らすか、スポット測光で+1EV程度増やすと良い。
この点はセンサーが大面積でダイナミックレンジが広い、一眼レフタイプ(特にフルサイズ)には太刀打ちができない。

追記(2010/12/08);
1.偏光フィルター
フィルターアダプターがまだ届かないが、偏光フィルターの効果を調べてみた。レンズ先端にオーバーサイズのフィルターを手で押さえつけながら撮影したが、むらが出たりするような変な癖はない。

偏光フィルター無し

偏光フィルター使用
マーク位置0°

偏光フィルター使用
マーク位置-90°

パターン測光なので、空が暗くなったぶん木の葉は露出過剰気味のようだ。

2.絞りの効果
マクロ時の焦点深度調整に絞りを手動で使った場合の効果を調べたが、こちらもぼけが不自然に歪んだりする様子は無かった。欲を言えば、超ワイドを生かして背景を取り込む構図ではf=22まであるとうれしい。

左;f=2.7(最大) 右;f=8.0(最小)

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