日本が作った?レアメタル危機
中国漁船騒動で表面化したレアアース危機だが、どうやら真相は日本が自分で作ったと言うことらしい。
というのは、日本が世界に先駆けて工業化してきた超強力磁石などに使うレアアースは、世界的に偏って存在している物ではなく、単に手軽な供給源として中国の鉄やウランの鉱山や製鉄所の鉱滓から安価に製造させていた物らしい。中国が生産の多くを占め、その大部分が日本に輸出されていたというのは、日本企業が安全保障を考えずに一方的に中国に依存していたと言うだけだというのだ。そして、中国は日本に大量に輸出しているために製造コストが安く、国際競争力があったとも言う。全くばかばかしい限りだ。
いつものことだが、お手軽な利益を求めて、安全保障を考えずに安価な輸入品に頼る日本企業の性癖を改めさせない限り、同じような危機はいくらでも再発するだろう。
リチウムなど、高度に濃縮された塩湖水に当分はコスト的に太刀打ちが困難な物もあるが、遷移元素の多くはそんなに偏在している物でも無かろう。日本各地にある黒鉱にも多く含まれているはずだ。かつて亜鉛や鉛の鉱山として利用されていた黒鉱だが、コスト的に太刀打ちできないとしてほとんどが廃坑になった。あの「カミオカンデ」で知られる神岡鉱山もそうした物の一つだ。また、発見されたが未利用のままに終わった鉱床もあるようだ。危機に備えて、そうした鉱山を短期間で利用できる準備をしておくことも良いと思う。
国の安全保障は軍事だけではない。経済面の安全保障も重要で、むしろ経済危機が戦争の原因となることの方が多い。古来資源の争奪も戦争の原因になってきた。今後増加すると思われる資源争奪戦に、巻き込まれないようにするための方策を準備しておくことも重要な安全保障策なのだ。
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