日本農業は補助金依存症
農業保護政策が日本経済の足かせの一つになっているように見える。各国際経済条約交渉に、農業に対する補助が障害になっているからだ。
敗戦後、食糧確保が目的で始まった各種優遇策が、保守系政党の選挙対策にも利用され、次第に拡大し半世紀以上も続いた。そして、官民とも補助は当然としその拡大を追求してきた。この為、今や日本農業は完全に補助金依存症になってしまっている。
日本農業が自立し、国際競争力を得るには依存症からの脱却が不可欠だ。しかしこれは薬物依存症と同じで、いきなり止めれば激しい禁断症状が出る。だから治療は計画的に進めなくてはならない。官民協力して、補助金に頼らない農業経営、小農家も安定した経営ができる農業のあり方を研究して、徐々にかつ早急に移行して行かなければならない。
このままでは、日本の農業・工業共に行き詰まってしまう可能性があるからだ。
追記(2010/10/27);
収益改善の為に、様々な努力が行われているのは私も承知しているが、その大半が手間暇をかけることによって価格を引き上げる方向に向かっている。しかしこれは最善とは思えない。日本の農業の最大の弱点は、高度に労働集約化されていて原価が高いという点にあるからだ。
日本人が生きてゆくためには、米の飯とおかずの両方が必要だ。しかし、今の日本農業は高単価のおかずばかり作っているような物で、主食になる物がない状態だと思う。低価格だが手間をかけずに大量に生産でき、労働生産性が高い作物も基礎になって農業を支える物として必要だ。ブランド品ばかりで産業は維持できない。
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