「時には母のない子のように」
朝日新聞が土曜版の「うたの旅人」で「時には母のない子のように」とカルメン・マキを取り上げている。彼女のハスキーな声と、しみじみとした歌詞が心にしみる歌だが、この歌が最初に登場したときに一騒動あったことが全く触れられていないことにやや物足りなさを感じた。
それは、この歌の一節「母のない子になったなら、誰にも愛を話せない」が、母親のいない子供の心を傷つけるとの非難を浴びせられ、一時期放送禁止になったことだ。当時私は大学生だったがその様子を見て、「心を傷つける」と騒ぎ立てる方がさらに深く傷つけるのではないだろうかと、割り切れない気持ちでいたことを覚えている。今ならネットで炎上と言うところだろう。
いつの世でも、良いことをしているつもりで過剰に騒ぎ立て、当事者たちを無用に傷つける者たちがいる。そんな独善家にならないよう、気を引き締めていようと思う。
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