安全保障上の大欠陥
日本の安全保障には重大な欠陥がある。
それは日米安全保障条約に関する物でも、基地問題でもない。それは全ての卵を一つのかごに入れてしまっていると言うことだ。
なぜかと言えば、日本では政治経済全ての中心機能を東京に集中させてしまっている。民間企業に自由に立地を選ばせてしまっている以上当然なことではあるのだが、政府もまたそれを結果的に後押ししている。なぜかと言えば、官庁・議会ともすぐに民間企業を呼びつけ、少しでも対応(顔出し)が遅れると冷遇する。この習性は民間企業同士でも明瞭にあり、何かというと取引先の担当者を呼びつける。この為全てが一カ所、つまり東京に集まらざるを得ないのだ。
その結果、日本の中枢機能を破壊するにはただ一発の核爆弾で足りる。核爆弾を船荷などに偽装して東京湾に持ち込めばよい。そのための手段はいくらでもある。ミサイルなど必要もない。その点で北朝鮮にとって、東京はソウルよりも容易な攻撃目標なのだ。
こんな重大欠陥を放置したままで、日本の安全保障体制をいくら議論しても始まらない。重要な物は分散しておく、それを考えなければ、いくらミサイル防御システムやステルス戦闘機で防空を固めても役に立たない。貿易貨物に偽装して、第3国の民間船で持ち込まれれば高性能の対潜探知システムもイージス艦も無力だ。
安全保障(防衛)を論じるならば、中枢機能の配置という基本から見直すべきだ。
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