鳩山首相の使命
ここまで追い込まれてしまっては、5月末までの決着が不可能なことは誰の目にも明らかだ。最早誰もそれを期待していない。今の鳩山首相がなすべき事はいかに身を引くかということ、そして後任が基地問題を引き継げるよう論点を整理しておくことだ。
今更普天間基地を辺野古に移転すると言っても、沖縄県人のほとんどは納得しないだろう。それは他県人にとっても同じだ。これまでの政権が十数年かけて準備してきた普天間基地移転計画は、すでに根底から崩れてしまい、そこへ戻ることもそれを小手先で変更して同意を得ることも、どちらも誰にもできなくなっている。世論調査で5月末決着こだわらないというのも、国民の多くがそれを感じ取っているとからだ。
ただ、それと鳩山首相が責任を取って辞任すべきだと言うことは全く別だ。国民の判断は、このような無知で状況判断ができない政治家に国政を任せておくことはできないと言うことで固まりつつある。
そんな状態にもかかわらず、民主党内で鳩山下ろし、小沢下ろしの声が上がらないのは、次の選挙で敗北することは自明であり、誰もその責任を取らされたくないからだ。つまり選挙の敗北を待って、鳩山・小沢下ろしを実行し、その後に党の権力を取りたいからだ。
それはそれでもかまわない。しかし6月以降、早期に衆議院を解散して、出直し選挙を行ってもらいたい。選挙無しの政権継承をあれほど非難してきた民主党だから、それが当然だろう。もし居座り続ければ、参院選の敗北はさらに厳しいものになるだろう。
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