衰える吉野の桜
近年、吉野の桜に樹勢が衰えた物が多いと言う。原因は桜の木に菌が寄生して幹を腐らせるからだという。だとすると、原因は桜の木を増やしすぎたためではないだろうか。
一般に単一種ばかり植えると、いや地が出たりその種を好む病害虫が増えて立ち枯れが多発したりする。その点から考えると、桜の木の間隔を広げて間に他の樹種を育てる方が良い。楓など紅葉する樹種を植えれば春も秋も楽しめるだろうし、適度に針葉樹や照葉樹などの常緑樹を植えることも必要だろう。
一目何千本を売り物にしているのは分かるが、あまりそれにこだわり、桜ばかり増やすと山全体を滅ぼしかねない。何事も適度に止める事が良い。
追記(2010/04/21);しばらく前の吉野を紹介する番組で、地元の保護団体の活動を紹介していた。その中で気になったことが一つある。
というのは、山桜には新芽が赤いものと緑のものがあるのだが、山全体を濃いピンクに見せる為、新芽の赤が特に濃い株を選んで、その種から苗木を作って植えていると言うことだ。しかし、これは好ましいことではないと思う。
というのは、遺伝的に近いものばかり植えるとその系統を好むカビや菌がはびこりやすくなり、効範囲で一斉に樹勢が弱る可能性があるからだ。これを避けるためには、いろいろな系統のものを混植して、遺伝的多様性を保持する方が良い。
それに、山全体が同じ色に染まるよりも、唱歌の「もみじ」ではないが、濃いも薄いも数ある方が私には美しく見える。
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