失われる国家公務員の政治的中立性
民主党の公務員制度改革によって、これまで兎にも角にも形だけは保証されてきた国家公務員の政治的中立性が完全に失われる。今後は、新政権に忠誠を誓わない公務員を自由に降格処分できることになるからだ。(これは立法・行政・司法の三権の分立が保証されなくなることも意味しており、憲法違反の可能性もある。)
その結果、国家公務員は政権交代によって降格されることを避けるため、積極的に働くことはしなくなるだろう。そして皆、指示待ちの姿勢を取るだろう。やがて行政活動は停滞し、日本の行政はどんどん崩壊してゆくことになるだろう。経営者が処権圏を乱用すると、従業員が経営者に対する信頼を失い、積極的に働かなくなることで企業がつぶれるのと同じ事だ。
私は、立法の立場にある政党が自由に公務員を処分して、行政に干渉することを可能にする、この行政改革案には反対する。
追記(2010/02/20);
この件に関して、本日の読売新聞に社説が掲載されたので参照して欲しい。
読売新聞は、政治家による恣意的な任命が行われないかどうか疑問としているが、私は恣意的な任命を可能にする事が目的の制度変更と判断している。
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