トロリーバス;低CO2排出の公共交通機関
敗戦後、昭和30年代前半まで東京にはトロリーバスが走っていた。トロリーバスは今でもヨーロッパの街では走っているようだが、架線から電力の供給を受けて走る電気自動車の一種だ。線路のない路面電車と言った方が良いかもしれない。
東京では次第に増加する道路交通の邪魔になるという事で、路面電車やトロリーバスは廃止して地下鉄にするという方針になりどちらも廃止されてしまった。これには米国崇拝意識も関与したと思われる。当時は米国のように個人の自動車に頼る方が合理的で、公共の路面交通機関は進歩的でないという意見があったからだ。
しかし現在の目で見ると、電力のみで走るトロリーバスはCO2排出の点でも大気汚染の点でも優れた交通機関だった。走行速度が遅く架線を離れてはほとんど走行できなかった当時と違い、今の技術を用いれば給電無しで走れる距離を伸ばすことも、走行速度を上げることもできるだろう。架線の設置という問題はあるものの、もう一度見直しても良いのではないかと思う。
さらに、トロリーバスには大きなジーゼルエンジンを積む必要がなく、いわゆる電気自動車のように大容量の電池を積む必要もない。この為足が不自由な人たちの乗り降りが楽な、低床バスの設計も楽だろう。今の低床バスはいかにも不細工で、前後の段差や大きなホイールハウスがあるために車内のスペースの無駄が多すぎる。
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